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生後四ヶ月の下の子は、きげんのいいときには手足をバタバタさせる。キックを繰り返しているうちに体がどんどんずり上がっていく。この蹴りは元気の象徴だ。
わたしのとなりで寝ている上の子は四歳で、夢の中のドラマが盛り上がってくると、体を九十度回転してキックの連打を浴びせてくることがある。ダダダダダっとけっこう痛いデ。
わたしが小学生のころ、キックボクシングが大流行し、よく蹴り合いをして遊んだものだった。主流は「まわし蹴り」。相手のこめかみのあたりを狙って、外から弧を描くようにして足の甲の側で蹴る。実際にはお尻や太股のあたりに当てていたけれど、それでも当たりどころが悪いとけっこう痛かった。当たり前だが、それ以上はそんなに蹴れるものではなかった。
何年か前、散歩中のうちの犬にいきなり噛みついた野良犬がいた。乗りかかって耳の後ろあたりに噛みついているところにわたしが蹴りを入れたら、離れたけれど、あとから考えると足の甲でお尻のあたりを蹴っていたのだった。ずいぶん遠慮のある蹴り方だ。実際、離れはしたけれどキャンとも言わなかった。
もし、もう少し遠慮が強くてすぐに離れなかったら、うちの犬のダメージはもっと大きかったかもしれない。蹴るならもっと効果的に蹴るべきだったか? 襲われたのがもし自分の子どもだったら? などと思うと同時に、そんなにシビアな蹴り方はなかなかできるものではないなと思った。正直なところ、犬を蹴ったというだけでもけっこうドキドキものだった。
つい最近、わりと近いところで殺人事件があった。いわゆるクラクション殺人。三叉路をふさぐように停まっていたワゴン車に対して後ろのタクシーがクラクションを鳴らし、喧嘩になったらしい。ただし、鳴らしたのは三人の乗客のうち助手席に座っていた人で、亡くなったのはべつの乗客の女性。喧嘩の仲裁に入っていたという。腹部への蹴りが致命的だったということで、痛ましいかぎりだ。加害者はワゴンのドライバーで二十五歳の男。翌日、被害者の死亡を知って自首したとのこと。
今風に言うと、加害者は切れたわけだろうか。深夜のことだから、双方とも酒の勢いなんかもあったのかもしれない。切れた話は多いが、近所となるとさすがに印象が違った。伝わってくる痛ましさも生々しいし、自分の住んでいる町が殺伐とした灰色に覆われたような気分になる。たしかに頭にくるクラクションはある。しかしそれにしてもあっさりと、相手が死んでしまうほどに蹴れるものなんだ。
ひょっとしたら、蹴ったら痛いと知らなかったのかなぁ。加害者はわたしの世代がキックボクシングなどで遊んだ部分を、なんの痛みも伴わないなにかで埋めて育ったのかもしれない、などと思ってみたり。
ケーブルさんからはその後なんの音沙汰もなし。というのももうひとつよくわからんけれど、いい加減うっとおしいのでこちらからコンタクトはしていない。
それにしても次の日にソフトの新バージョンが出ることもあるなどと書いたら、ほんとに Mac 版の IE5 が出ていてびっくりした。しかし残念ながら症状は変わらず。それよりも残念なのは、デフォルトでフラッシュのプラグインが入っていないこと。信じられない。
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