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風呂上がりにジュースを飲んでいた娘をふと見ると、割れたコップを不思議そうに眺めていた。畳の上には大きな破片が二つ濡れたようにキラリと輝いている。わたしの「どうしたんや!」と妻の「割れてる!」が同時になった。娘がびっくりして顔を上げる。「じっとして!」と大騒ぎ。「かんだらわれたの」というので、見るとほんの少しだけ上唇が切れていた。どうやら口の中には破片は入らなかったらしい。その程度ですんでくれてよかった。
何もないか?と口を開けさせてもわからないので上を向かせたけれど、あとから猛反省。何かあったらノドにいってしまったかもしれないところだった。
むすめの幼稚園は二日目。まだ咳をしている。
朝は、行きたくないと言っていた。
――そんなこと言わずに行けって。ねんどあそびもお絵描きも絵本も、なんでもあるよ。
でもママがいないもん。
――すぐに迎えにいってくれるよ。そうそう、夏になったらプールもあるからさ。
プール!? あっちゃん、プール大好きだから行く!
――ちょ、ちょっとまだ早いデ。夏になったらな。
などと言いながらとにかく送り出す。幼稚園の玄関で迎えてくれる先生から「もう(教室まで)一人でいけるかな?」と言われたとのこと。いくら大きくても、二日めではちょっときびしい。
お弁当は半分ぐらい。帰りはニコニコしながら出てきたのに、母親の顔を見た瞬間に涙が出てきたとのこと。やっぱり寂しいんだろうな。生まれてから今までずうっと一緒にいたのだから当然だ。すぐに慣れるだろうと思いながらも、慣れなくて挫折してもいい、とも思ってしまう。いや慣れてほしくないとさえ思う。
いずれは親離れしてもらわないと困るわけだけれど、その第一段階がこの年齢での幼稚園である必然性ってどれぐらいあるのだろうか。
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