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2000年5月3日(水)
◆《薬を飲まない》

 娘のわがままがエスカレートしている。わがままと自分本位な物言いに振舞い。
 幼稚園に入ったこと、風邪をひいたこと、下の子の存在と彼女に対する親の扱いなど、いろんな要素が原因としてあるだろう。もちろん、親のほうで配慮を欠いている部分や、過敏に反応していることもあるかもしれない。
 それにしても、ここへきて素直な態度をとってくれる度合いが激減した。おそらく性格が変わったわけではなく、言葉の使い方をためしたり、自分なりの価値観を確認しているようなところもあるのだと思う。けれど、一言一言にからんでくるような物言いは本当に堪える。そういう下地があるところに、都合の悪いことには返事すらしないような態度をとられると、神経の繊維が有刺鉄線になるような気がする。

 それでも、たいていのことはいい。娘に悪気があるはずもないのだし、一過性のこともたくさんあるだろうから、いちいちこだわっていても仕方がないだろう。チャイルドシートのように、今どうにもならなくても、二、三年もすればなんの問題もなかったように自分から解決してくれることもたくさんあるはずだ。

 ただ、一つだけゆずれないのが、薬を飲まないということ。これだけは、そう簡単に「じゃあいいわ」と言うわけにもいかない。
 前回(四月はじめ)の風邪から、なぜかしらとにかく薬を飲もうとしなくなった。今回はそれを踏まえていろいろやっていたので液体の感冒薬は飲んだが、肝心の抗生物質の薬を徹底的にイヤがった。それでも飲まさないわけにはいかない。溶連菌感染症なら十日は飲み続けないと、人にうつす危険性があるという。類似の感染症だとしても発疹のあるあいだぐらいは飲んでおくほうがいいだろう。
 しかしイヤがる理由がわからない。苦いとかならともかく、お菓子のように甘くしてある顆粒の薬をそれほどまでにイヤがる理由がほんとにわからない。公園の売店で売っている娘の大好きなフローズンメロンソーダのほうがよっぽど薬臭い味がするほどだ。それを、「おとなにはあまくても、こどもにはあまくないあじなの」などと言う。そのうちに「こどもにしかわからないよ」とも。四歳になるとどこともこんな感じなのだろうか? わかった、それでもいいから飲みなさいという父親とのあいだでつまらないやりとりが長引き、結局飲まなかったらだっこもなしという話にまでなってしまった。なんなんだ一体……このガンコさは。

 布団に入ってすすり泣きながら寝入った娘。大げさなのはわかっていても、大切なものを失ったような気がしてこちらが泣きたい気分だ。