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運転免許の更新にいった。警察の建物に入るのは久しぶり……というより、前回の更新以来だ。三年間別件でお世話にならなかったことは喜ぶべきことだろう。
最近では毎日のように腐敗や不手際にまつわるできごとが伝えられる警察。エラそうな態度だとカチンとくるかもしれないと少々楽しみにしていたが、わたしに関してはそんなことはなかった。ただ、隣の窓口でおこなわれていた三十歳ぐらいの人とのやりとりは、
警:「なんて? あんたは今はどこに住んでんの?」
三:「H区です」
警:「車の保管場所は? 今はどこ?」
三:「K区です」
警:「(書類を見ながら)あ、これか。で、保管場所をH区にしたいわけか。あんたの車?」
三:「そうです」
てな感じ。警官は五十歳前ぐらいの男性で、隣には二十歳台の女性の警官が資料かなにかを持ってつっ立っていた。まぁ大阪にありがちな馴れ馴れしさでもあり、文字の印象ほど実際はエラそうでもないとは思う。それでも窓口での応対としてはやっぱり「〜ですか?」が基本だろう。
この三年間はなんとか無違反で終わったのだが、次の免許の有効期限も三年だった。平成八年五月二日十一時にシートベルト装着義務違反があるので、過去五年間の無違反にはならず、したがって次の免許も三年モノになるということだ。(こないだこのあたりが改正されるときいたが、今回は当然間に合わない)
このシートベルト装着義務違反については、一度は書いておきたい。
該当日はゴールデンウィーク中の平日で、わたしはかかりつけの医者にいった母を迎えにいくために片側二車線の道路を走っていた。しょっちゅう通る道だ。ところがすぐに渋滞で動かなくなってしまった。普段は朝夕こそ混むが、そんな時期のそんな時刻に混む道ではない。何かあったのかと思うが、大きなトラックに囲まれたような状態で前がよく見えなかった。しばらくそのまま様子を見ていたが、母を待たせたくはないので、事故でも起こっているのなら他の道にしようとシートベルトをはずして車を降りて確かめてみた。すると、トラックのむこうに検問の文字が見え、車の列が今にも動き始めそうなことがわかった。あわてて車に戻ってそのまま進むと、検問にかかった。
「はい、どーもー。どうして止められたかわかりますかぁ?」
「……いや、どうしてですか?」
と言った瞬間に、その時自分がシートベルトをしていないことに気がついた。
「そうなんです、これからはシートベルトしてくださいね。今回は罰金にはなりませんが……」
「いや、わたしさっきまでしてたんですよ。渋滞してるから車降りて確かめただけなんですよ」
「じゃあ、乗ったらまたしてもらわないと困りますねぇ」
「いや、乗ったらまたって、すぐに車が動き始めたんで急いで車動かすしかないでしょう? 次に止まったときとか、最近くせになってるんでいつでもちゃんとしてるんですよ」
「とにかく、今はされてませんでしたから、キップは切りますよ、いいですね」
「よくないですよ、この検問で渋滞してるわけで、それを確かめるのにさっき車を降りただけなんですよ、それで違反というのはちょっと杓子定規すぎるでしょう? 検問してなかったら、わたしはベルトしてたんですよ」
等々四年も前のことなので正確ではないが、おおむねこんな感じでゴネてはみた。が、ムダだったわけだ。
まぁ仕方がない。警察が個別の事情にふりまわされていては、仕事にならない面もあるだろう。ただし、それだけに自分たち自身も杓子定規なほどに律してもらわないと納得がいかなくなるのだ。
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