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2000年6月4日(日)
◆《えらいぱぱ……》

 幼稚園の父親参観。ついこないだ母親参観があったばかりだから、幼稚園の生活も忙しい。
 本日のメニューは、まず牛乳パックでパクパク人形作り。牛乳パックの上半分ぐらいを加工して、アルミホイルで作ったボールをパクッと受けたりできるようにするのだ。加工した部分には、パクッと受けるところが口になるような感じで顔を描く。顔は猫やカエルでもいいし、アンパンマンやピカチュウなどのキャラクターでもいいとのこと。うちの子は当然のようにアンパンマンを描けと言った。やれやれ、またアンパンマン?パパはあっちゃんの顔を描きたいなと言ってみたが、泣きそうな顔をするので仕方がない。

 そのあとは園庭へ出て、朝礼、体操、親子での体操、再び教室へ戻って歌を歌ってもらって、プレゼントをもらっておわりという段取りだ。
 それにしても父親たちが園庭に集うと、母親参観のときとは違ってどうも雰囲気が暗い。暗いというのか、濃いというのか、日常を引っ張っているというのか、汗くさそうというのか、不満たらしいというのか、そんな気配が立ちこめているようだった。もちろん、わたしは違うと言っているわけではない。体操のできる服装でという指示もあり、これでもかというほど飾り気のない人が多かったせいもあるだろう。一人コックさんの格好の人がいて目立っていた。いかにも仕事の途中っていう感じでカッコいいけれど、教室にまで帽子をかぶってくるのはちょっと演出が過ぎる。後ろの人が怒るデ。

 親子での体操はおんぶをしたり持ち上げたりといじめられたが、まぁまだ大丈夫だ。どちらかといえば子どものほうがバテぎみだった。「耕運機」――子どもが腕立て伏せの姿勢になり、その脚を持ち上げて移動する――が苦手な姿は、自分を見るようで切ない。おっし、これからちっと鍛えてやろう。

 教室に帰ると、ヤクルトとオレンジジュースで子どもと乾杯。
 見渡すと、壁には同じ配色のお父さんの絵がずらりと貼ってあった。服は虹色で統一。全員ビールのコップを持っているらしい。妻の気にしていた画一的な絵というのはこれかと思いながら眺めてみる。たしかに服ぐらいは自由にさせてもいいんじゃないかと、わが子の傑作を探すと……あったあった、おーっ、一、二を争う顔の大きさだ。やはりモデルのせいだろうか。

 最後に、やっぱり顔を描いたうちわのプレゼントをもらう。それと一緒に歌ってくれたのは、

 ぱぱ、ぱぱ、えらいえらいぱぱ、だれよりえらいんだ……

 という歌だった。

 ちなみに今日はわたしの、迎えたくなかった誕生日でもある。ケーキを前にして、いつもなら♪ハッピバースデートゥーユーを歌うところも、今夜はこの「えらいぱぱ」の歌だった。
 人生に戸惑い続けたままでいることは自分が一番よく知っている不惑の誕生日。かわいい声で歌われると、余計つらくなる。そんな顔もできず。