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2000年6月11日(日)
◆《公園めぐり》

 三時半ごろからむすめと公園にいった。幼稚園が休みの日は、家の中だけではエネルギーを使い切れない感じだ。退屈してくるとロクなことをしないので、外へ出るしかない。
 とはいえ、二人でいくのは久々だ。それが素直に自転車の後ろに乗ってくれたらよかったのだが、魔が刺したのか自分の小さい自転車に乗ると言ってきかなかった。となると、わたしは歩き。

 いざ公園についてみると、予想どおり顔見知りはいない。休みの日は遠方からの家族連れが多いので、もともと近所の人は少ないのだ。それでもかまわず砂場で黙々と遊びはじめたものの、結局公園内の他の児童公園にいこうと言い出した。いいけど、むこうの公園にも友だちがいるかどうかはわからないし、500 メートルは離れている。小さい自転車ではけっこうたいへんだ。

 案の定、次の公園にも知り合いは誰もいなかった。友だちになれそうな子もいたけれど、残念ながらむこうにはその気がなさそうだった。
 寂しそうなむすめの様子……。
 よし、どうせならもう一つある児童公園にもいってみよう。それから外周道路をぐるっと一周して帰ってきてもいい、ということでまた移動し始めた。
 児童公園を出たあたりには野宿者の青いテントが密集している。公園には、外周道路沿いを中心にたくさんのテントがあるときくが、その中でも密集している地域だろう。かつて粗大ゴミであっただろうと思われるようなモノが大量に積み上げられて異様な雰囲気を漂わせているところもある。そんな中を小さい自転車でトコトコ走っていたむすめが、野宿者にむかって、
「こんにちわー」
 と声をかけた。挨拶は返ってこなかったが、少し笑っていたように見えた。
「こんにちわっていってくれないね」
「そうやなぁ」
「どうして?」
「さぁ…… びっくりしたんかなぁ」
「どうしてびっくりしたの?」
「誰もこんにちわって言わないから」
「どうして?」
「どうしてやろ、怖いのかな」
「こわいの?」
「どう? 怖かった?」
「こわくなかったよ」
「じゃあ、それでいいやん」
 そんな会話をかわしながらしばらくいくと、
「うわー、すごいゴミだね」
 オイオイ、あんまりでっかい声で言うなよ……。
「まちがきたなくなるね」
「どうして? 町のゴミを公園にもってきたら、町はきれいになるやろ?」
「あっちゃんもテントほしいな……あ、おはながさいてる!」
 そう言って自転車をこぐスピードをあげた。振り回されただけのような気分が残る。

 次の児童公園で三十分ほど遊んで、ようやく帰ることになった。ここまでで自宅からおよそ2キロ。帰り道も同じぐらいだが、花を摘むといっては止まり、ハトがいるといっては止まりで、その長かったこと。さすがにむすめもくたびれたようで、最後の 500 メートルぐらいは動かなくなってしまった。こんなときのために自転車には縄跳びがくくりつけてある。仕方なくそいつをひっぱって子ども付きの自転車をゴロゴロとひっぱって帰ってきた。久しぶり、というよりはすでに懐かしくなっている感触。
 今日の収穫はクローバーの花が五つ、タンポポ一つ、梅の実ぐらいの大きさで緑色の桃の実が一つ、石ころ三つ。もっとあったのにどこで落としたんだろう。