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むすめは甘くて冷たいものが好きだ。アイスクリームやアイスキャンディーに始まって、ジュース類が大好物である。
とはいえ、無制限というわけにもいかない。食事前などはわたしでもわたしの母でも「がまんしなさい」というが、やはりキビシいのは妻だ。もともと、妻は甘くて冷たいものがあまり好きではない。キビシさにはそのあたりの影響も多少はあるのかもしれない。
最近はむすめの食欲もハンパじゃなく、風呂上がりなどはかなり飲み食いしているようだ。今まではたいていオレンジジュースやアップルジュースに牛乳など、複数のものを混ぜて特製のジュースを作ってやっていたのだが、ちょいちょいと飲みきれずに残すようになってきた。わたしが風呂からあがって特製ジュースを作るまでに、待ちきれずにサイダー(すっぱいジュースという)などを飲んでしまうのだ。
今日もどうやらそんな様子だった。
「ジュースどうする? いる?」
ときくと、
「いるー!」
と応えはする。けれど、もうなにか飲んだような感じだった。
「なにか飲んだんやったら、氷にするか?」
「氷!?」
とたんに目の色が変わる。
「今日だけやで。ママにナイショにしときや」
「はいはいはい」
というわけで、氷菓子を一個わたした。もう一度「ママにはナイショやで」と念を押す。バレても全然かまわないが、まぁ秘密にするのも楽しいものだ。風呂あがりのピカピカのほっぺたを嬉しそうにふくらませたわが娘、
「パパ、ありやと!」
と言うなり階段をトントンと上がっていった。
そしていきなり聞こえてきたのは、
「ママー、パパがこおりくれたよ!」
という声だった。うーむ、間違っても悪口は言わんほうがいいらしい。
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