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2000年6月17日(土)
◆《午後からお相手》

 昨日は妻子三人、風邪で医者にかかった。メインは上の子であとの二人はついでっぽいけれど、風邪は風邪だ。妻はノドをやられていて今日で三日間まともに声が出ない。飲み屋のママさんみたいでそれはそれで悪くないのだけれど、電話に出られないので困る。幸い三人とも発熱せず、回復を待つだけという感じで元気。昨日も今日も上の子は幼稚園にいったし、下の子は医者に相談した上でBCGも受けた。

 幼稚園は十一時半までで、以後はわたしがお相手役になる。とりあえずスーパーへいく。そういえば前にきたときに買ってやると言ってたものがあった。一般的な名前はわからないが、デザイン定規というのだろうか、歯車の中にペンをさし込んでぐるぐるやるとウールマークみたいな図形の描けるやつだ。使えないかもしれないが見るぶんには喜ぶだろう。
 帰ってきて遊ぶと、予想どおり最初は大喜びしてくれた。そして小一時間遊んでいたが予想どおりうまく使えなかった。たしかに描きにくい。90円の貧弱なプラスチック製だから仕方ないかな。
 飽きてくるとそのあとは紙芝居。最近は食事から寝るまでの時間が短いので、絵本も紙芝居もする時間がない。図書館から借りてきても返すまでに一、二度読むか読まないかだ。今日が返却日なので一度も読んでいなかったものに目をとおした。
 それにも飽きると、妻との「ケンカ遊び」が始まった。「ママなんかきらいや」「もうしんでしまってもいいのか」とわけのわからないことばっかり言っている。妻のほうはとにかく声が出ないので迫力がない。やれやれ…… やっぱり図書館に連れていくか。雨だから車でいくしかないが、外に出たほうが平和そうだ。

 あんまりママとケンカするなよーというような話をしながら、混雑気味の道路を走る。それでも15分ぐらいで図書館から一番近い一時預かりの駐車場に入れた。無人で、車を駐めて何分かたつと車体の下で障害板が起きあがるようになっているところだ。図書館までは雨の中を少し歩かねばならないので、さぁ、と気合いを入れて振り向くと、むすめが完全に眠り込んでいた。……オ、オイオイ。とにかくぐっと眠り込んでいて、つついても叩いても起きそうにない。あらら…… どうする? 車に置いていくわけにもいかないだろう。といって無理やり起こしても(起きそうにないけれど)雨の中を歩けそうになかった。しばらく待つか。待つぐらいなら家に帰って寝かせたほうがいいか。時計を見ると四時ちょうどだった。図書館は五時までだから家まで往復してもまだ間に合う……。我ながら貧乏性だと思うけれど、決め手はまだ起きあがっていない駐車場の障害板だった。すぐさま家に戻り子どもを降ろした。ところが予想に反して、目を覚まして玄関に座り込んだままもう一度パパと一緒に行きたいと泣きだしてしまった。仕方がないのでまた車に乗せて連れていく。まったく何をやってるんだか。

 図書館に着くと四時半。時間がないのでむすめが選んだものを適当に借りて出てくる。
 駐車場へ帰る道、相合い傘を教えてやった。すると、どういうものか前に立って歩きたがり、結局、また自分で傘をさして歩き始めた。水たまりを踏んだりするのですぐまた後ろになる。むすめは雨が好きだ。ガードレールの水滴を拭きながら歩きたがるし、水たまりに自分が映ると覗き込む。自分もやったことがあるなぁと笑ってしまいそうになりながら前を歩いていた。ふと振り返ると、今度は頭の上で傘を逆さまにして雨を集めようとしていた。おー、それもよくやったやった。


♪ with "Butch Cassidy And The Sundance Kid" / Sound Track