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2000年6月23日(金)
◆《遺伝子の極性》

 子どもができてから、遺伝というものをずいぶん意識するようになった。一番最初に思ったのは上の子が汗かきなことだった。これはおそらくわたしからの遺伝で、女の子なだけに申し訳ないような気もするのだが、まぁ仕方がない。困ることもあるかもしれないけれど、暑さに強いことは間違いないのだ。
 頭の大きさと形と髪の毛の生え方にも感心している。細かく見ると違うのは当然だが、全体的な印象は自分でもほんとによく似ていると思う。頭が大きくて、ほっておくと昔マシュルームカットと呼んだようなヘアスタイル(今はなんて言うのだろ?)になってゆき、それが一番似合ってるような気がしてくる。
 声はわたしと妻の両方の特徴がある。どういうわけか普通にしていても腹式呼吸なようで、声も大きくてよくとおる。幼稚園の先生の声が大きいことは前に書いたが、本人は「あっちゃんのほうがおおきいよ」と平気な顔で言っている。これは自惚れまで含めてわたしの形質だろう。かと思うと、裏声のようなやわらかく高い声で歌をうたったりもする。ディズニーもののお姫さまの歌を真似しているところもあるようだけど、そういうときの声質は妻に似ていて、一人でドキっとしていたりする。

 というようなことは親があれこれ思っているだけのことで、子どもにすればありがた迷惑みたいなものなのかもしれない。わたし自身、親になってからはまた違ってきたけれど、それまでは父親に似ていると言われて嬉しいと思ったことなど無かったような気がする。
 そう言えば下の子は、横顔などに妙にわたしの父と似ているところがある。頬ずりしようと思ったときなど、たまぁに磁石の極が合ってしまったような感覚になることがあるのだ。魔性のようなかわいさの中のかすかな父親の気配。最近は慣れたけど。