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2000年7月11日(火)
◆《べったり》

 下の子は最近特に妻にべったりになってきた。一日中くっついていないとギャーギャー泣きわめくといってもそれほど大げさではない状態だ。上の子で経験しているのでわたしはどうということはないけれど、妻のほうが少しバテている感じ。とりあえず体重が11キロほどあって、しかもカッカと放熱しているので、抱き続けるのも大変だろう。ほっておくと、先日来の風邪の影響もあるのか、ものすごい声で泣いているうちに吐いてしまう。妻以外の人間が抱いてしずかになる確率は五十パーセントぐらいだろうか。
 今機嫌いいから、或いは、今寝てるからちょっとだけ見ていてくれる? ――ああ、いいよ。
 そのまま下に降りて小一時間帰ってこないのも、気持ちはよくわかる。だから文句を言うつもりもない。ただ、急に泣き出して、わたしなりにいろいろやってどうにもならなければ、もう泣かせておくしかないのだ。

 どうしても泣きやまない下の子を抱き続けていると、絶望的と言いたくなるような無力感に襲われる。「なにもそんなに大きな声で泣かなくても……」「もうすぐおかあさんが帰ってくるからさ」「おねえちゃんが起きてしまうぞ」「いいかげんにしろよ」などなど、どんな思いも通用しない。やがて心の隅のほうに、椅子の上にでも放り投げてやろうかという考えが浮かび、もっとひどい虐待さえ実行する自分の姿を想像してみたりする。恐ろしいことだ。しかしたとえば酒の勢いがあったりしたときに、実行してしまう親もいるのだろうなどとも思ってみる。同時に、絶対にそんなことはしないのだというプロテクトが自分の心に存在していることも確認する。
 ……などというほど大げさなものではなく、実際は「もぉー、いっかいほったろか」と心の中でつぶやきながら「ね〜んね〜ん、ころぉ〜りぃ〜よぉ〜」と歌ってみたりするわけだ。

 昨日の夜は号泣が止まらず、今まで起きたことのない上の子もさすがに呻き始めてしまった。仕方なく抱いたままで下の階(食卓)に降りる。と、途端に泣きやんでそのまま眠ってしまった。こういうこともあるのだ。

 スポーツ飲料などで袋入りのものがある。フタができるし、凍らせるのにも便利なので、飲んだあとに水を入れて凍らせ、ジョギングに持っていったりしている。その袋がピンクやブルーなどの透明になっているものを見つけたので、実用面と、たまに一緒に連れて走る子どもも喜ぶだろうということで買ってみることにした。
 氷の塊が溶けて飲めるようになるほど長いあいだは走れないので、半分ほど水を入れたものを凍らせて、走り出す前に水を足していく。その半分ほどの量を見るのに透明だと好都合なわけだ。
 Fruittissimo というこの製品のメーカーは雪印食品。話題の雪印乳業の別会社だが、同一視されて大変なこともあるだろうなと思うと、応援したいような気持ちになったのだった。

 それにしても、子どもも飲み続けるものだし、低脂肪乳についてはちょっと考えないといかんかなぁ……。返品の再利用に関することなど、雪印乳業だけが特別にずさんだったのだろうか。そこらへん、各メーカーとも一度透明にしてみたいものだ。


♪ with "Wave" / Antonio Carlos Jobim