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2000年7月15日(土)
◆《とりとめなく》

 ここ最近、上の子は公園の砂場で遊びたいとしつこかった。どうやら幼稚園でプールがあるときは砂遊びができないらしく、それで欲求不満になっていたようだ。そんなものなのだろうか。しかし実際に砂場に連れていくと、久しぶりの友だちと会えたこともあって大喜び。そしてちょっと目を離したあとで目に入ったのは、砂場の砂の上で、まるでウルトラマンが空を飛ぶときのような格好で腹這いになっている姿だった。その満面の笑みに、ちょっと唖然とした。ほんとに、そんなに砂場が好きなのか。まぁたしかにアスファルトの中での生活では、砂場ぐらいしか土や砂に触れるところはないのだけれども。

 大阪市というのは本当に土や緑の少ないところで、わずかに残った土のスペースもすぐになんらかの工事でなぶりものにされる。その結果がまた土や緑に関わるものならまだ良いが、アスファルトで塗りつぶした上に「ひとり、ふたり、みどり」と書いたプランターを置くようなこともけっこう平気でしてくる。個別の事情はいろいろあるだろうが、大雑把に言えば街じゅうにアスファルトを敷きつめようとしているかのようだ。そうして街が熱く暑くなりやすいようにしてから、保湿効果のある涼しい舗装を研究したりしているらしい。ご苦労さまなことだ。早いとこ研究しておいて今ごろ公園や住宅地だけでもそんな舗装にしておけば、世界から注目されるような街になれただろうに。

 わが家は築四十年になる高度成長期のころの市営住宅。居住空間は狭くて暑くて今の生活には合っていないが、けっこう広い庭があったりして、当時の住宅に対する考え方が見えたりする。六年ほど前に越してきたときは、同じような住宅の一群が家の前にあり、それらが高層マンションに建て替えの計画中ですべて空き家だった。そして同様の建て替え住宅や団地が周辺にいくつもあった。そんなわけでほったらかしにされた庭や共有の広場がいくつもあり、付近一帯がある種緑豊かな空間となっていた。94年の春にはそこここでウグイスが鳴いていたのを覚えている。それまでは大阪市内でウグイスの声が聞けるなどとは想像したこともなかっただけに、ちょっとしたオアシスに住んでいるような気分だった。

 その後、そういった古い建物は次々に七階建てぐらいのマンションに変わっていった。土の地面だったところはほとんどすべてが駐車場になり、共有地の児童公園もコンクリート敷きになって、やはり砂場ぐらいが子どもに与えられた唯一の柔らかめの地表となっている。

 それはまぁいい。……よくもないかもしれないが、少なくともそこに住む人は承知の上だろう。
 そんなことより、わが家の前のマンションは入居者がそろそろ全体の三分の一ぐらいになっているんではないだろうか。なんとか公団の運営するもので、聞くところによるとすぐ近所でもより新しく、より広く、より安いところがいくらでもあるそうだ。なのに家賃を下げないので入居者がどんどん出ていっているらしい。なのになのに数ブロック先ではまた同じようなマンションができつつある。いつまでたっても無くならないアホな話。せめて土やら木やらをたくさんおいとけば、ゴーストタウンになったときにウグイスでもくるだろうに。


♪ with "Alma" / Leila Pinheiro