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2000年8月24日(木)
◆《チクチク…》

 たしか下の子が五ヶ月か六ヶ月になったときぐらいから、六畳の部屋に布団を敷き詰めて親子四人の雑魚寝状態で寝ている。わが家の間取りの都合上、今のところそれしか方法がない。普通はわたしが一番遅く寝るので、そのときの妻子の状態によってその日寝る位置が決まったりする。
 昨日の夜は、いつもは妻か下の子の寝ている位置があいていたのでそこへ寝た。せいぜい二、三回めのことだろう。それにしてもここへきて暑い。クーラーをつけっぱなしにしないと寝られないのだけれど、前日が不眠ぎみだったこともあって妻子はよく眠っていた。わたしはいつもどおり倒れると五分もせずに寝入る。

 明け方、朦朧とした意識の中で、腹が出てるなと思った。いや、出てるのは出てるのだが、着ているTシャツもまくりあげて腹を出していたということだ。体は右を下にして横向きになっている。その右の肋骨の一番下あたりがチクチクした。なんだろう…… 虫でもいるのか。いや、もう少し上のほうだ、肋骨ではなくて大胸筋だ。チクチクチクチクして、少し痛い。おもちゃか積み木でも当たっているのかな。それともやっぱり虫か…… と、このへんでだんだん覚醒してきた。虫? ゴキブリとか? まさかぁ。まてよ、これは大胸筋じゃない、乳首だ。チクチクチクチク…… オ、オ、オイ、一体なんやねん、気持ち悪いやんけ! と覚醒して目をあいて自分の右の胸のほうを見た瞬間、むすめがこっちを見上げてニタァと笑った。お、おちち、吸ってたの? まさかな。つまんでただけ? 何をしてたかはわからないが、とにかく、
「おまえな、それはあかんのや、ママのとこへいき」
 と言った。しかしあきらめない。ほら、そっち向いてごらんよ、ママがいてるからとそぉっと顔を向けてやると、途端に大声で泣き出した。妻が起きたので説明すると、いつもの位置のつもりなんかなぁ、とのこと。そうかもしれない。しかしそれでも間違うか?