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ウルトラマンや手塚治虫のビデオを子どもに見せるのは、親が親しんだ分安心感があるというだけで、それ以上の意図はない。もちろん話の種にしやすいというメリットはあるし、歌を教えてくれと言われれば教えることもできる。見せてみて思うのは、古いものでも十分楽しんでくれるということだった。
近所のスーパーにはウルトラマンシリーズのフィギュアがおいてあり、すでに何度か買ってくれとねだられていた。ターゲットは大好きなウルトラマンタロウ。わたしだっていくつか持っていたし、買うのはべつにかまわないのだが、他のものとのバランスなんかも考えねばならなかった。昨日はカラーのマジックペンなどを買ったからと言いくるめられていただけに今日は最初から気合いが入っていた。店の中で、
「あっちゃんのすきなところにつれていってあげるからね、おんぶしてあげる」
という。背中にまわれというけれど、結局は子どもの体をまたいで歩く格好になるだけで余計にしんどいのだ。わかったわかった……。
フィギュアのところにいくと上のほうにあったタロウを迷わず手に取った。ふと下を見ると怪獣たちがわんさか並んでいる。中にバルタン星人パワードというのがあった。青っぽい色調で、昔のバルタン星人よりは頭やハサミが長くなってとがっていた。へぇ〜と思いながら手にとった。
「あっちゃん、バルタン星人パワードやって」
「ギヤ〜〜〜!!」
近くにいた人たちが一斉に振り向いた。うっかりしていた、むすめはバルタン星人を本気で怖がっていたのだった。
帰宅後、欲しくてたまらなかったタロウのフィギュアでご満悦だったおねえちゃん。
「ぱぱ、あっちゃんもうこのタロウといっしょだったらバルタンせいじんもこわくないよ」
と言ってくれた。
「そうか、よかったなぁ」
「でもね、テレビにでてくるほんものはこわいけど」
午後、三十分ほどうたた寝をしたときに、お寺さんが毎月のお経をあげにきてくださった。来客の大好きなむすめはこの行事も好きだった。和尚さんが読経しているうしろに座って、かしこまって手を合わせるのだ。今日は、さらにその上に歌までついたらしい。ビーズでできたカラフルなブレスレットを数珠がわりにして、「ぼくらはみんないきている……」と『手のひらに太陽を』を歌ったとか。わが子ながら仏壇の前で歌う歌としてはものすごいセンスだ。妻に叱られて黙ったものの、今度は和尚さんが帰られたあとに木魚を叩いて「むねーに、つけーてる、まーくはりゅうせー」と初代ウルトラマンのテーマソングを歌ったとか。ご先祖さんたちには、供養になっただろうか。
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