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2000年9月12日(火)
◆《叱ったあと》

 朝から子どもを叱った。二階からなかなか降りてこず、降りてきてもなかなか座ろうとせず、座っても朝食を食べようとせずに他のことをしているので少しコワい声を出してしまった。もちろん「少し」というのはこちらの感覚で、子どもにすれば十分コタえているかもしれない。……というよりも、最近は普通に叱っても「はぁーい」という返事だけで行動はあらためず、結局そこそこ叱りつけないとこちらの言うことをきかない場合が多いのだ。そういうときは、試されてるなとよく思う。

 子どもへの強制は、いつも自分の中のルールとの葛藤だ。自分のルールに合っているかどうかを単純に判断して、それをそのまま適用するだけならば簡単でいいのだけれど、相手は人間なので当然ながらそういうわけにもいかない。こちらの言い分だけをとおして、関係が悪化したからといって親子をやめるわけにもいかないのだ。まして、そういうときの自分の判断や行動をこれから子どもがサンプルにしていくと思うと、いい加減なことは言えない。

 ……と、自分に言い聞かせてはいるけれど、実際に叱るときはたいてい感情が勝ってしまっている。ただそれを一番ダイレクトに伝えるのは声で、少しはコントロールできるようになってきたというところだろうか。それは伝わっているというか見抜かれているというのか、怒られたと思った子どもがわーわー泣き出しても、「ほんとに怒った声とちがうかったやろ? ほらほら」みたいに言うとわりあい早く落ち着いてくれたりする。いいのかわるいのか。

 それにしても最近は叱る回数が増えている。強く叱るまでの回数が増えているからそういう感じがするのかもしれないけれど、どちらにしても必要以上に参っていたり納得できなかったりしていないかは気になるところだ。風呂場で探りを入れてみた。
「あっちゃん、最近パパとママよぉ怒るなぁ」
「うん」
「そう思う?」
「うん」
「……そうかぁ。あんまりよく怒るからちょっと嫌いになった?」
「ううん、そんなわけないやん」
 だとさ。知らないうちにいろんな言い方を知っているものだ。


♪ with "Agent Provocateur" / Foreigner