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2000年10月11日(水)
◆《返事しろ!》

 (べつに子どもにかぎらず)呼びかけなどに返事がないというのは不愉快なものだ。イライラする。特に妻は子どもと接している時間も長く、クイックな返事の欲しいときも多いだろう。もちろん四歳やそこらでは、そうそうきちんとした返事ができるものでもないとは思っている。ただこのところどういうわけか、「呼びかけたときぐらいは返事をしなさい」などと言った上でなおかつ簡単な返事をしてくれないことが続き、妻の小言の数も増えていた。

 先週末だったか、風呂上がりにジュースを飲むかどうかみたいなことで問いかけても返事がなく、妻が諭したあともなぜか同じような感じだったのでたまりかねたわたしがどうしてなのかときいた。ところがその話をしている最中に、何を思ったのか手に持っていたタオルを丸めて妻に投げつけてきた。反抗といった感じではなく少し笑いながらの、悪ふざけの延長のようだった。だからといって、父親がきちんと話をしているのを無視しての行動なので笑ってすますわけにもいかない。お尻を叩いたのは七月以来か……。

 祭日だが週明けの月曜の朝、妙に不機嫌でやはり呼びかけても返事をしなかった。なぜだかわからない。風邪ぎみだということは理解しているつもりだ。だが、一度二度と「ちゃんと返事してくれよ」などと言ったあともまともな反応が返ってこないと、感情的に、本当に腹が立つ。結局キレてしまって、「もういい。『返事しなさい』と言われたすぐあとまで『うん』とか『はい』とか言うのがそんなにむつかしいんやったら、もうしなくていい。そのかわりもうおまえに話しかけるのもやめる」とまで言ってしまった。
 火曜日もさらに同じようなことが続いた。だけど、話しかけないようにしようとして、結果的に無視するようになってしまうというのは、愚かで、ロクでもない、最低のやり方だ。二度としない。

 どうも難しくなってきた。このこと以外の生活の部分は特に問題はなく、会話も普通だし絵本を読んだりということもしている。それだけに、どうして簡単な返事がそんなに難しいのかと不思議に思ってしまう。しかも最初は不愉快をぐっと飲み込んでいる。問題にしているのは、いつも「返事をしなさい」と言ったあとで返事がないときなのだ。それでも四歳児には厳しい要求なのだろうか。過干渉になっているのだろうか……。
 少し受け入れにくいけれど、おそらくそういうことだろうとは思う。たぶんこちらの言うことを理解はしており、本当はどうするべきなのかもわかっているのだけれど、実践するだけの注意力や余裕や素早さが常にあるというわけではないのだろうと想像している。次は親の側にそういった状況を受け入れる余裕があるかどうかなのだろう。ここらで夫婦してもう一度「がまんくらべなんだ」と自分にしつこくしつこく言い聞かせる必要がありそうだ。いや、父親だけか。……ンなカッコの良い話ではなく、そろそろ簡単には親の思いどおりにならんのだから、叱ってばかりではなく頭を冷やせということだ。

 たしか六月ぐらいまでは幼稚園に送っていくと投げチュー――もちろん投げキッスのこと――をしてくれた。早くもそんな季節は終わったらしい。「うちではいいけど、ようちえんではだめ。はずかしいもん」だそうだ。しんどくないときのだっこももう不要とか。くっ……。


♪ with "Nite Flite" / Various Artists