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2000年11月11日(土)
◆《誕生日》

 下の子の一歳の誕生日。早かったような長かったような……。それはともかく、上の子のときの成長に対する印象や感想から、新鮮な驚きに相当する部分を除いたような感覚で接していたような気はする。何かをするようになった、そうか、上の子ではいつだったな。何かはまだしない、そうか、上の子はいつしたっけ……。意識はしていないつもりだけれど、ちょいちょいとそういう視点に立っている自分に気づいた。どちらに対しても同じように新鮮に接してやれたらなぁと思うのだけど、それはわたしには不可能だったようだ。もっとも、本人はそんなことを気にする様子もなく、したい放題の日々だったように思う。
 最近は「あらいぐまラスカル」化し、機嫌のよいときは戸棚のかげなどから顔をのぞかせて「キャッ」と「アアッ」の中間のような、あらいぐまラスカルのような声で呼んでくれる。なんでも口に入れるので油断がならないのだが、どうしてもスキを見つけられてしまうのは困ったものだ。今日は水色の色鉛筆をなめていてちょっとした騒ぎだった。舌がしっかりと水色になっていたのだ。口に入れたものを出させるために指を入れるせいか、よくこちらの口にも指を入れようとしてくる。ベビーカーにはどっしりと座って、止まると「動け!」というように奇声を発したりする。上の子が一月ほどしか乗らなかったので下もそんなものだろうと思い、友人からもらった男の子用のベビーカーを使っている。すでに五ヶ月ぐらいになる。こんなに乗るのならもうちょっとかわいいのでも買うのだったのに、と外出するたびに思うのだった。
 いずれにしてもこの一年をなんとか無事に乗り切れたということで、めでたい。

 同じような年ごろの子どもさんを持つ方からの吉報は嬉しい。つらさや不安を容易に想像できるだけにほっとするように嬉しいのだ。よかった。

 ところで今日は上の子の幼稚園の制作展でもあった。学園祭みたいなものだ。十幾つあるクラスそれぞれにテーマが決められ、それに応じて園児と先生で作ったモノが展示される。たとえば「となりのトトロ」のクラスでは、トトロを模したすべり台や、ドングリをころがすおもちゃ、中に子どもが座れる猫バスなど。これらがすべて段ボール、牛乳パック、卵のパック、新聞紙、レジ袋、ペットボトルといった廃品からできているわけだ。テーマには「ジャックと豆の木」「ヘンゼルとグレーテル」などのお話ものや「アンパンマン」「ポケモン」といったキャラクターものがあった。むすめのクラスは「ブレーメンの音楽隊」で、楽器やストーリーにまつわるものが所狭しと並べられていた。まぁこれだけのものをよく作ったものだと、まず量に思う。そして、各クラスをまわるたびにプログラムにシールを貼るようになっていて、それを集めることに憑かれた子どもに全部の部屋をまわらされたのだった。フラフラだ。それにしてもこんなにあからさまに市販のキャラクターに興じていいのかなぁという気にはなったが、子どもたちはとても楽しんでいるようだった。
 そういえば、わたしは幼稚園の同じような催しで「バンビ」の家を作った。ただし廃品ではなくてちゃんとした木製だ。三角コーナーのような形にして、そばには足の長いスペードのような形をした木を立てた。ノコギリも金槌も使わせてくれたのは昔の公立の幼稚園だからだ、みたいなことを去年初めて、おもちゃさんを経営する元保母さんからきいた。たしかに危険である。実際、上から覗きこんでいた友だちのおでこを釘抜きで一撃したことがあるから間違いない。
 園庭では陶芸のコーナーがあり、けっこう冷たい風の吹きすさぶ中、皿などを作った。わたしはただの円盤に子どもの似顔絵を描いただけ。いろいろ作りたかったけれど、粘土がすぐに乾いて硬くなるのでめげてしまった。とにかく焼き上がるのが楽しみ。


♪ with "Sea Changes" / Tommy Flanagan Trio