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寒くなってきた。おまけに下の子の調子が悪いと公園にもいけないので、そんな日はお風呂が上の子の重要な遊び場所になる。相変わらずのアワや冷水遊びだ。できるかぎりつきあってやるとやはり大喜びで、風呂場から出るときも、
「おふろさん、おやすみ、またね。またあそぼうね」
とごきげんだった。そこにいないおじいちゃんやおばあちゃんや月や星、そのほか部屋の中のいろいろなものにおやすみを言って眠る絵本(「おやすみなさい おつきさま」)があり、その影響でときどきいろんなものにおやすみを言ってくれる。
「お、今日はいい子やなー」
とつい言いたくなる。
「あっちゃんね、いいこのときはちゃんとおへんじして、みんなにもおばあちゃんにもちゃんとあいさつするんだよ」
「そう、じゃあ、ちゃんとおばあちゃんにも『あがったよー』って言ってや」
「うん」
などとくすぐったくなるような会話をしながら体を拭いてやると、アコーディオン・カーテンをあけて出ていき、大きな声で言った。
「おばーちゃん! おやすみー!!」
それにしても忙しいときに限ってあれをしろこれをしろと言ってくるものだ。特に妻は下の子にかまっていることも多いので、そんなときにいろいろ言われると頭にくるだろう。おしめを換えているときに靴下をはかせてくれと言われると、「自分ではきなさい!」の一言も出るというものだ。いつだったか、いい加減キレた妻が、
「もぉー、あんたはほんまに自分のことだけしか考えてないんやな!」
と言った。するとわがむすめ、口をとがらせて下から見上げ、
「うん」
と頷く。そしてさも当たり前のことであるように、
「じぶんのことしかかんがえてないよ?」
と、最後のほうには不思議さえこめてのたまふ。横で聞いていて吹きそうになったが、そらまぁそうかなと。
しかしあかんワ。どぅおーしても姉と妹の名前を間違えて呼びかけてしまう。情けないけど、なんと言われてもしかたないですワ。ただ、老化っていうのとはまた違うような気はするけど、もっと若い親が間違えないものやったらやっぱり老化なんでしょうねぇ。
そんなことを思っていると、わたしの母が上の子のことを「こうちゃん」(仮名)とわたしの兄の名前で呼んだ。笑えるような笑えないような……。でもむすめはしょっちゅう「パパ」と「ママ」を間違えるからひょっとすると血ィなんかもしれん。ちなみに義父は、自分の長男の名前を呼ぶのに自分の弟から親戚の名前まで動員したという妻の話。
下の子はもうすぐ自力で歩きだすというところ。手を持ってやるとかなり歩けるようになってきた。上の子には九ヶ月ぐらいからさんざん手を持って外を歩かされたせいで、自力で歩きだしたときに本当になんの感動もなかった。それだけに、下の子には「あ、伝い歩いた!」とか「あ、今歩いたんちゃう? あー、あかん、しゃがんでしもたァ」などと楽しませてもらっており、やっと人並みの親の気持ちを体験によって理解した感じだ。
それはそうと妹もなかなか気の強いところがある。得意技はほっぺたのビンタ。こればっかりは食らうとムっとしてしまうけれど、いくらなんでもやりかえすわけにはいかない。お姉ちゃんも「叩いてはダメ」と厳しく言われているので、今のところ妹のほうが強いのだ。
その妹は水曜日一日中高熱がつづいた。これを書いている木曜の朝は、ようやく微熱程度になってきた感じ。これで治まってくれるといいのだけれど。
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