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このところ上の子との関係が少しおかしくなっている。もっと主観的に言えば、上の子自身がおかしくなっている。一番目につくのは、妻の言うことを無視するケースが出てきたということだ。「〜してはいけない」という禁止の言いつけをハナからきこうとしないことが増えてきた。他にも、食べることに関してのゴタゴタも多い。おやつの食べ過ぎ、ものをこぼすこと、食べ物で遊ぶこと、etc.
昨日は自分としては久々にキレた。食卓で遊んでいたむすめが乳酸菌飲料の中にヨーグルトに付いている顆粒の砂糖を混ぜようとして、床にこぼしていた。それが叱られる類のことであるのは娘もすでに理解しているので、それ以上はあまり言いたくない。だから「あかんやろー」程度を一言二言口にして、黙って拭き取っていた。すると首筋から頬にかけて乳酸菌飲料がポタポタ。目の前の器からスプーンで飲んでもこぼすのに、隣の椅子から手を伸ばしてスプーンを使おうとしていたのだ。むっときた。自分がこぼした砂糖を拭き取ってもらっているあいだぐらいおとなしくしてろ!という怒りが脊髄を走って、口から出てきた。
そのあと食事になった。むすめの好物のクリームシチューが少し残っていたのできくと、食べるというので妻が温めて置いた。しかしテレビに夢中で食べない。テレビをつけてある以上はある程度承知しているのでそれはまぁいい。そうして番組が終わり食事も進んだころ、わたしの母が薬を飲むのにちょっかいを出し始めた。母は、下の子の食事のために早く食べ終えて妻と交代するのだ。その錠剤を「おてつだいしてあげる」と、ブリスターパックから出そうとして取り上げてしまう。母がやめろと言ってもなかなかきかない。少しゴタゴタしてその一幕が終わると今度は、「早く食べなさい」という妻の言葉を無視して「スープがほしいっていったでしょ」とエラそうな顔をして言った。インスタントのコーンスープを作れということだ。この言葉にはカチンときた。ならシチューを食べると言うな!と怒鳴りそうになるのをこらえて「いい加減にしなさい」程度で止めた。ついさっきも叱ったばかりだから自分としては抑えたつもりだった。そして、とりあえず気持ちを静めようとトイレに立って戻ってきたとき、我が目を疑いたくなった。むすめがテーブルの下に隠れていたのだ。パパが怒ったからだと言う。そんなイジけた行動は今までとったことがなかっただけにショックでもあった。たしかに妻もわたしもよく叱るけれど、それはそれで、その場で解決してしまうようなカラッとしたものだった。そういう了解がどちらの側にもできているように感じていて、いわば良い関係だったのだ。そんな関係がどこかで変質し始めていた。……というのはあとから思うことで、その場ではその態度が許せず久々に子どものいう「こわいこえ」になってしまった。「さっさと出てこい。出てけえへんかったら、本気で怒るぞ」。そして一度では出てこなかった……。
声を出したことで自分の感情が発散してしまうと、あとには苦い気持ちしか残らない。後悔ばかりだ。「怒らないから、出ておいで」と言って、出てきてから諭せばすむことだった。おばあちゃんはママと交代するから、おまえは急がないときにお手伝いしなさいと言えばよかった。人が足下にいるときには上からものを落とさないようにしなさい、と言えばよかったのだ。くそっ。だがそんなにいつもいつも冷静でいられるものか。それに、似たようなことは何度も何度も言っており、それをきかないから叱るのだ……と考えが堂堂巡りをする。で、たいていは「根比べ」や「我慢大会」という言葉で自分を納得させようとする。
「難しくなってきたなァ」と、少しため息混じりに妻と話す。もちろんまだまだこれからだろう。とにかくイジけたりスネたりを助長しないようにはしたい。だから基本的にはそういう態度を放置せず、その都度なんとかして解決したいとは思っている。それと禁止を言うときにとにかく一言でもいいから理由を告げること。それでなくとも「どうして?」病の娘には理由のわからない強制はおそらく相当な苦痛だろう。ここらで一度、そのあたりから出直しだ。
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