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2000年12月4日(月)
◆《登園拒否の長い一日》

 むすめの通っている幼稚園は楽器の演奏に力を入れているらしい。今月は市内のホールを借り切っての発表会があり、そのための早朝練習というのがこないだから二度あった。そこまでするのもどうかと思うけれど、とにかく今日はその三度めの早朝練習だった。それがバタバタと朝の支度をしている最中に「いかない」とむすめが言い出した。咳が出るからだと言う。たしかに今朝もまだ深い咳が出ていた。詳しくきくと、メロディオン(鍵盤ハーモニカ)を拭くと咳が出てしんどいからということだった。実際に咳が出ているのでわからない話ではない。しかしそれならメロディオンだけを休めばいいと言うと、どうも楽器の練習自体をイヤがっているような感じが見えてきたのだった。その上、土曜日に迎えにいったときにも、みんなが帰りかけている中で数人の友だちと部屋で練習、といったことがあり、実は気になっていたと妻が言った。むすめ自身は口が重くてどうもはっきりしない。情報が欲しいだけでべつに詰問するわけではないのだけれど、頭から布団をかぶって黙ってしまったりするのだった。
 その態度に、どうも納得がいかなかった。そんなことをする子ではなかった。イヤならイヤでいいのにそういうイジけたような態度になってしまう理由がうまくイメージできない。よほどイヤなことでもあるのだろうか。とにかく休ませることにして家を出た。先日の体操がイヤにつづく二度目の半分ズル休み。

 こういうのは考え方や方針の問題なので、小学校ならいざ知らず、幼稚園ならあっさりかえようというのは前々から思っていた。もともと楽器も好きだし人に見てもらうことも好きなので、楽器の演奏自体は楽しければいいだろうと考えていたのだ。だが拒否したくなるほどのストレスになるようなら論外だろう。……それとももう少し様子を見るべきだろうか。もちろん子ども自身の思いも尊重しないといけないだろう。仲良しになった友だちだっていることだ。またはもっと強引に行かせてしまえば、それはそれでなんとかなっていくものだろうか。そんな話もよく聞くと妻は言う。しかし幼稚園や小学校なんて、楽しければ熱があったって行きたいぐらいなものだろう。それを考えると拒否したくなるようなイヤさというのは、子どもにとって相当大きなものであるような気もする。強引に行かせることがイジけたような態度を助長する結果にはならないのだろうか。いずれにせよ、現状のままで休めば休むほどしんどさも増してイヤさも増すだけだろう……。

 わたしの母が風邪をひいていることもあり、早めに帰宅すると妻の顔がひきつっていた。むすめが元気を持て余し、したい放題の言いたい放題だったらしい。朝のことや最近のことがあるので少し好きなようにさせてやろうとしたのだが、部屋の中では紙粘土で作ったおもちゃを粉にしたりするので、ベランダで食事をしたという。ベランダは陽が出ていれば暖かく、最近は下の子が遊ぶように敷物も用意してあった。むすめも気に入って、それからはずっとベランダに出ていたということだ。ところが今度はオヤツだなんだとキリがなくなってきた。それでも細かいことをいろいろガマンしながら、言うとおりにリンゴをむいてやろうとして「水にさわってはダメ」と強く言いつけて下におりた。ベランダには金魚鉢や水槽も置いてあってよく悪戯をすることがあったからだ。で、あがってくるとキレてしまったと言う。なんとむすめが金魚の入っている水槽に頭を浸けたというのだ。「おみずにはさわっていないよ」と。そりゃキレもするだろう。冬場の水槽はあまり水を換えたりもしないのでけっこう汚いものだ。そしてそれを叱ると、自分のことを嫌いになったのか、とか死んでもいいのかなどと文句を並べたらしい。一時期よく言ってたのがこのところ復活しているのだ。一目見ただけでも、妻の落ち込んでいるのがよくわかった。それにしても何をしでかすやら。だがまだそれだけでは終わらなかった。(つづく(^^;)


♪ with "Sweet Forgiveness" / Bonnie Raitt