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2000年12月20日(水)
◆《がんばるべ》

 去年の十二月十九日に左足ふくらはぎを肉離れした……と思っていたのに、日記を読み返してみると十八日だった。どこで記憶がずれたのだろう。とにかく強烈な印象が残っている。その時点の「この冬一番」だった寒気と、特に筋繊維の切れる音。「バシッ!」という音と、強く張った弦をはじく「ビン!」を合わせたような音が体じゅうに響いたのだった。外から伝わる音とは違って、体中に音が満ち渡って突き抜けていくような感じが忘れられない。体を痛めるのでなければ何度でも体験したいような音だった。その後しばらくはそれほど痛みがなかったので、自転車に乗ってウロウロしていたのだが、そのうちに悪化させてしまい長いあいだ腫れと鬱血がひかなかったのだった。途中から始めたスポーツテーピングによる固定は効果が大きかった。特に痛みがウソのようにやわらぎ、最初からやっていればかなり違った経過になったのではないかと思う。わが家で、経験上の自信を持っておすすめできるのは、肉離れのときのテーピングと高血圧に対する黒酢、この二つだ。

 今年は風邪だ。十九日は上の子の吐き下しも一応落ち着き、前日ほとんど寝かせてもらえなかったためか、またノドが強く痛みだしてフラフラのわたしはとにかく午後九時すぎには床に入った。それなりにぐっすり眠れたので、目が覚めたときにはノドが少し楽になっている気がして嬉しかったのだが、今度はなんとお腹の調子がわるかった。これはひょっとしたらむすめの風邪をもらったか……と思ったのが午前三時。そして八時を過ぎるころには吐き下しでフラフラになっていた。さらに、わたしの母も同じ症状だということがわかった。
 それにしても吐き下しというのはきつい。いっぺんに体の力を奪われる気がする。さむけが取れず、午後からはとうとう発熱も始まった。最高は耳式体温計での39.7度だったが、まぁこれはまた少し違う種類の体温なのだろう。なんとなくすぐに治りそうな気はするけれど、それでも妻や下の子にうつすと大変なことになるので、気持ちだけでもと、コンピュータの机の下のところに布団を敷いて一人で早々と寝た。

 午後十一時ごろ、物音で目覚めると妻が「わきちゃんにもうつったみたい」と言った。何度か吐いたらしい。やはりか……。それでも吐き止めの座薬などの用意があったので、眠るのは眠ったらしい。次に起きたのは六時前で、ちょうど座薬の効き目が切れるころだった。わりと機嫌がよく悲壮感もないので助かった。その時点ではわたしはほぼ普段どおりの元気で、予想どおり案外とあっさりと回復できそうだ。さぁ、とにかくがんばるべ。


♪ with "When The Pawn..." / Fiona Apple