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2001年1月24日(水)
◆《たかが幼稚園》

 超久々にバンドでスタジオに入った。一年ぶりに近かっただろうか。アンプ類やドラムス、キーボードの配置が部屋の中で反転していて、いきなりブランクの長さを突きつけられるようだった。キーボードがコンパクトなものに変わっていて広くなっていた。早めにいって一人で練習したりしようと思っていたのに、他のメンバーも次々と早くに集まって思惑どおりにはいかなかった。おかげで最初のうちは妙に緊張してしまったけれど、何曲か弾いているとそれなりに指が動くようになってくる。まぁあんなものだろう。少し話をして、帰ってきたのは午前三時前。一歳児と五歳児と八十歳のほうに近くなってきた母親と暮らす身ではそうそう都合のつく時間帯ではないけれど、行くと血が騒ぐものだ。

 上の子は先週末から風邪で幼稚園を休んでいた。今日あたり、ひさびさに幼稚園に行って帰ってくると荒れるだろうなと思っていたら、ものの見事に予想どおりだった。何回かそんなふうに感じた休みあけがあったのだ。休んでいたあいだとは人が変わったように反抗的になってしまう。するなと言ったことを選ぶようにするし、やめろというのもきかない。もちろん普段からロボットみたいに言うとおりに動くわけでもないが、ブレーキが壊れたような感じになってしまうのだ。挙げ句のはてに「ようちえんでいいこにしてたから、いえではわるいこになる」と繰り返したために、とうとう妻がキレてしまった。幼稚園をかえると言いだした。

 今日のことを幼稚園のせいにしてしまうつもりはない。どんなところにいっていても、似たようなことはあるだろう。
 ただそれとは別に、今の幼稚園が行事だなんだと子どもにストレスを強いているということについては、家族のあいだですでに見解が一致している。先日も子どもが言ってたような「がんばる」「がんばりたい」という言葉と引き替えになっているストレスがあるわけなのだろう。そんなストレスに対処できるだけのものが、今のうちの子にあるとは思っていない。そうやって生活しているうちに強くなってくるものなのかもしれないけれど、だからといって今の時点でそういうものに対処していく力を得るべきだとも思わない。それでなくとも下の子のために我慢させていることはたくさんあるのだ。
 ちなみに今はマラソンの練習だそうだ。嫌らしい。どうやら自分の走るのが遅いことも気にしているようで、その上風邪のせいで咳こんだりしたことがあってコンプレックスのようになり、自分の中でもてあましているような感じがする。もちろんこれから先、苦手なものができることはたくさんあるわけで、それらには自分なりに対処していくしかないものだ。そのたびに逃げだすことばかり考えるようにはなってほしくない。しかし今の時点では、できればそんなコンプレックスのようなものは作らずに、将来それができたときに対処する助けになるような、おおらかさとか、そんなものをしっかり獲得してほしいように思う。少し咳が出たぐらいで走るのがイヤだから休みたいと言い出されると、しっかりしろという気持ちと不憫さとが葛藤する。だが結局は、今は「おまえのイヤなことをがまんする必要はない」と言ってやりたくなってしまう。いいのかどうかはわからないが。
 そんなこんなで、今回はかなり真剣に幼稚園をかわることを検討中……。


♪ with "Kind Of Blue" / Miles Davis