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2001年2月12日(月)
◆《おじいちゃんが好き》

 オジイチャンノコトガネ、イチバンダイスキダヨ…… ソウカソウカ。
 外で食事をすることになって歩いているとそんな話し声がきこえてきた。自分で歩きたがる下の子に気をとられていて、ふと見ると上の子が義父と手をつないで一番前を歩いていたのだ。妻と二人して目を疑った。
「お、おい、あれ……」
「手ェつないでる……」
 妻の実家へきたのは今年二度めだった。去年一年では五、六度訪ねたぐらいだろうか。その前は下の子の妊娠・出産などあったわけで、そういった数字から推しても上の子と義父が会った総数さえ数えられる程度だ。そんな二人の関係はわたしたち夫婦が申し訳なく感じるほどクールな印象だった。もっとも職人気質の義父にも独特のセンスがあり、当初からデレデレとした素振りはなかった。飄々として孫娘との距離感をはかっておられたのだろうと思う。男が父親となること自体オートマチックとはほど遠いプロセスがあるわけで、それがたまにしか会わない孫娘のおじいちゃんになるということだとなおさら感覚がつかみにくいだろうというのは想像がつく。それは娘のほうでも似たようなものだろう。できれば愛想よくかわいくしてくれたらという願いはあったが、今まではなかなか期待どおりというわけにはいかなかった。それがここへきていきなり手をつないで「ダイスキ」とは……。
 食事にいった店でも娘はおじいちゃんにへばりついたままで、出がけにレジのそばにあった割高なおもちゃまで買わせてしまった。店を出ると今度はおばあちゃんと手をつなぎ、そのまま和菓子屋さんへ入っていく。「おばあちゃん(わたしの母)はね、これがすきだよ、みっつたべるよ」などと適当なことをいい、自分はこれが大好きだとイチゴ大福を指さしたりしていた。この調子では何を喋りだすかわからない。
 帰り道、やはり歩きたがる下の子の両手を夫婦して持っていると、上の子にも同じようにしたことが思い出された。ただしそれは下の子よりも五ヶ月も早い時期だった。当時から上の子には振り回されつづけているというのをあらためて実感した一日。おそらくは今後もそうなのだろう。


♪ with "High Gear" / Neil Larsen