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このところ、子どもに絵本を読みながら一緒に寝入ってしまう日がつづいている。といってもそのまま朝まで寝るわけではなく、二、三時間後にはきまって目が覚め、以後はたいてい眠れない。四時をすぎてからなんとか寝るような形になる。不規則な生活になるけれど、それなりにゆっくりはできる。
昨日の夜もそんなパターンで、四時近くになってさてそろそろ寝ようとしているときだった。とつぜん、上の子の声が深夜の静寂を突き抜けてきた。「ウォーッ!」とも「ワーッ!」ともつかない動物的な叫び声。それも大声だった。一瞬の余韻が部屋の空気を不気味な緊張で満たしてしまった。背中に電気が走った。いつもの寝言とは次元が違う。とっさに考えたのはなにかオカルト的なことでも起こったのかということだった。白目でもむいて座っていたらどうしよう……と思いながらおそるおそる部屋を覗くと妻が起きていた。わけがわからないという顔をしている。
「……どうしたん?」
ときくと、妻は、
「わかれへん…… 寝てるみたいやけど」
と言った。たしかに娘は寝ているようだった。
「半端やなかったな」
「うん、びっくりしたー。飛び起きたわ。なんやったんやろ…… 夢なんかな」
「なんやろ。寝言にしては声がでかすぎたけど。誰かをびっくりさせる夢でも見たんかな。それにしても程度があるけど」
といったとき、娘の声がきこえた。さっきの声がウソのようなかぼそく消え入りそうな声だった。
「おいかけっこしてたの」
「起きたのか。だれとおいかけっこしたん?」
「チュンちゃん」
「誰それ? 幼稚園のお友だちか?」
「ううん、ゆめのひと」
「……いじわるされたのか?」
「ううん、あそんでたの」
ゆめのひとというのは夢の中だけの登場人物らしかった。とにかく寝言は寝言のようだ。これも転園の副産物だろうか。それにしても限度があるぞと思ったが、下の子が起きなかったところをみると、限度にもいろいろあるらしい。
午前中、母に付き添って先日とは別の病院へいく。レーザーによる治療でイボ二つをとってもらった。次は一カ月ほど先とのこと。今日とった痕がミミズ腫れのようにならなければ他のもとるらしい。……おいおい、ミミズ腫れみたいになったらどうなるんだろうと思うが、終わってからではそうならないように祈るしかない。
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