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このところ少し疎になっていたのだが、写真を現像にだした。それほどこだわっているわけではないけれど、少しは光を考えて写しているつもり…… という中途半端さがいけないのか、なかなかうまくならないものだ。
中に、漠然と庭を写したような写真が一枚混じっていた。お隣との境あたりの木などが写っているだけで、はて、なんでこんな写真を撮ったのかと思い、すぐに思い出した。二週間ほど前、庭にウグイスが来ていたのだ。嬉しくなって、標準のズームではちゃんと写らないのを承知でシャッターを切ったのだった。やっぱりちゃんと写っていなかった。
七年前に引っ越してきたとき、家の前の区画は二階建ての公営住宅が建て替え期で、一軒をのぞいたすべてが空き家だった。各戸には十坪程度の庭があり、二カ所ある児童公園とでけっこう緑のあるしずかなたたずまいだった。その児童公園にウグイスがきていた。ものすごく環境の良いところに越してきたような錯覚に陥って、家族してはしゃいだものだった。それからその区画全体が巨大なマンションになり、ウグイスの声も聞こえなくなってあきらめていたのだが、まさかわが家の庭を訪ねてくれるとは思わなかった。
ウグイスには「忍音(しのびね)」と「初音(はつね)」というのがあるとラジオできいた。「忍音」というのはいわば練習中の鳴き方で、上手に鳴けるようになってから季節の最初に聞く声を「初音」というのだそうだ。しかし辞書をひいてみると「忍音」のほうはホトトギスだけに言うような記述になっているから、ラジオで言ってた人の思い違いなのかもしれない。いずれにしてもわが家で聞いたのは「初音」だった。そしてその時以来聞かない。来年も聞けるといいのだけれど。
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