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2001年5月15日(火)
◆《次の予定》

(承前)
 一晩たってかなり落ち着いた。考えてみれば、遠くの遊園地(めいたところ)へ二度めにいくというのは上の子にとって初めての経験だったわけで、そのためによけいに興奮してしまったのも無理のないことのような気がする。なりゆきでこちらの心の準備ができていなかったけれど、たとえばもう一度いくとすれば、もう少し鷹揚にかまえていられるかもしれない。……とでも思わないと仕方がないほど昨日の夜は喜んでいた。わたしの母には「きょうはね、いっちばんしあわせだったよ、おばあちゃんもいっしょにいったらとってもいいことがあるから、こんどつれていってあげるね」などと言ってたらしい。そりゃまぁ平日に行ったのだから快適だっただろう。そういうものだと思われるのも困りもので、妻によると、ゴールデンウイーク中は人気のある「芝すべり」が二時間待ちで、あきらめさせた子どもが拗ねてしまって散々だったという話もあるらしい。次にいくとき(があるとすればだ、あくまでも)、似たようなことにならないともかぎらないのだ。
 問題は、落としどころになるべき「見えないところには勝手に走っていくなよ」という言いつけをどうするかだ。そのうち慣れてしまうという話もきくけれど、少なくともあの吊り橋を六回も渡るのはわたしは嬉しくない。阪神大震災からこっち、揺れはキラいなのだ。それに迷子になったときに念のためでも橋の下を探すようなこともしたくない。ということで風呂に入れたときにあらためて話をしてみた。
「昨日はおもしろかった?」
「うん、めちゃくちゃおもしろかった」
「そうか、そんなにおもしろかったか。……幼稚園で誰かに話した?」
「うん」
「なんて?」
「すべりだい(芝すべり)いっぱいしたっていうたら、『ええなぁ』ってみんないうてたよ」
「そうか」
「ひとりですべったから、めちゃくちゃおもしろいねん。うさぎさんもおったし、おうまさんにものったし」
「そう」
「じてんしゃもめちゃくちゃおもしろかったわ」
「そうか、せやけどもうちょっとパパの言うこともきかんとな」
「うん、でもめちゃくちゃうれしかったから、はしってしもてん」
「そうやけど、勝手に走っていったら迷子になるやろ」
「うん、パパ、だからもういかないの?」
「ン? いや……」
「いかなかったらさびしくってかなしいな」
「……まぁ、ちゃんと言うこときいてくれたらまた考えるよ」
「いうこときく」
「そうか、わかった」
「ちゃんときくからね」
「わかったわかった」
「でもこんどはうみでしょう?」


♪ with "The Greatest Hits" / Love Psychedelico