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最近の幼稚園には延長保育というものがある。正規の保育時間のあと、希望すればそのまま幼稚園で遊んでいられるというシステムだ。中にはイヤがる子もいるらしいけれど、上の子はこれが好きで「ゆっくりおむかえ」と呼び、五時までいるのも平気だった。……ついこないだまでは。
十日ほど前から、ぱたっとその「ゆっくりおむかえ」を言わなくなった。様子をみていたのだが、どうやら以前にも書いた苦手な友だちが原因らしく、とうとう今日は幼稚園そのものを休みたいという意味のことまで言いだしてしまった。相手の子のことは妻もよく知っているし、そのうちまた仲良くなるだろうと「負けたらあかんでぇ」的に発破をかけていたのだが、状況はむしろ悪くなっていたようだ。このあたりのことは少しとまどいがついてまわる。男の子同士のトラブルであれば、たとえばいたずらやいじわるの度が過ぎていないかの「度」も、最低限わたし自身の尺度が使えるのだが、娘の場合はいまいちつかみきれない感じがする。大したことではなく、むしろいい経験だとは思うのだけれど、そんなふうに高をくくってもいいかどうかが結局わからない。いずれにしても娘からはなかなか情報が出てこないものだ。よくいうサインのレベルなのだなぁと痛感する。いや、親のセンサーがトロくてサイン程度にしか感じられないだけなのかもしれないけれど。
今日のところはいいきかせ、妻がおくっていって、とりあえず登園時にむかえに出ている園長に事情を話したとのこと。相手の子については以前にも同様のことがあったらしく、状況は理解しておられるようだった。わたしとしては娘が打たれ弱いのかどうかにも興味があったのだが、どうやら特にそういうわけでもないらしい。砂場で作ったものを壊されるとか、そういうことで嫌気がさしているようだ。そりゃまぁ何事にせよ「壊される」というのはおもしろくないだろうなぁ。その上相手から好かれているために、くっついてまわられて拒絶反応が出ている感じかもしれない。同じことは幼稚園の外でもおこるらしく、顔を合わせることの多いホームグラウンドの公園にもいきたがらない。要するに人がイヤがっているということを理解できないわけだから、……こぉ、言葉でもなんでもガツンと一発かましてやればと、粗暴な父親はヤキモキする。とはいえ、娘が自分で対処できる範囲を大きく超えてしまっているのであれば、最終的には大人が介入するしかないだろう。調停してくれるガキ大将もいないし、他に遊べる場所もないのだから。
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