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2001年6月8日(金)
◆《許さない》

 水曜日から体調を崩した娘は、昨日の木曜日とうとう幼稚園を休んでしまった。風邪のようで、胃腸にも少しきているようだ。四月五月と欠席がなかっただけに、ずいぶん久しぶりな感じがする。休まなかっただけではなく、実際に風邪をひかなかったので一年前と比べて楽にすごせた気がする。そうすると、ここらで一回ぐらいは仕方ないかという気にもなるものだ。
 昨日休ませたのは、今日がいわゆる「お泊まり保育」でもあったからで、大事をとってという意味もあった。そして、情けないことにわたしも子どもの風邪をもらってしまったのか体調を崩していた。そんなお昼どき、テレビをつけた瞬間にとんでもないニュースが流れてきた。刃物を持った男が小学校に乱入し、二十数人を殺傷したという。その時点で確認されていた死者が四人。食べていたものがノドを通らなくなった。

 もういい、と言いたくなる。精神病の話ももういいし、なにもかもがイヤになった話ももういい。
 そんなふうに思っていると、昼前に一旦帰宅していた娘が「こわいからこんなはなしはいやや」と言ったのでチャンネルをかえた。初めて家以外の場所で寝るという日に本当にとんでもない事件が起こったものだ。娘はそれ以後このニュースを見ようとはしなかった。

 子どもなんてか弱くて危ういものだ。生まれて数ヶ月は目を離しただけで死んでしまうことさえある。二歳、三歳になってしっかりしてきたと思っても無邪気にベランダの手すりを乗り越えてしまうかもしれないし、いろんな病気にかかることもあるだろう。幼稚園にいくようになってさえ、まだまだ一人で道路を歩かせるわけにはいかない。だがそれはどんな人間でもそうなわけで、だからこそみんなで守ってやらねばならないのだ。親が一生懸命になるのは当たり前のことだが、それだけでは足りず、いろんな人の力を借りてようやく小学校へ行くようになる。けっこう危なっかしい橋も、渡らなくても経験ぐらいはしながら育つものだろう。だがそうやってピカピカの一年生になっても、二年生になっても、まだまだか弱いものだ。……だから狂っていてさえ狙いたくなるのか?

 わたしの小学校のときの恩師は、かわいそうだと感じたときは、そのかわいそうな状況を作ったものに対して徹底的に怒れと教えた。そして許すなと。許すものか。相手が狂気であろうと許すものか。


♪ with "Just Push Play" / Aerosmith