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2001年7月5日(木)
◆《暑さの思い出》

「おい…… 顔から汗出てきた。もうあかんわ、気分わるなってきた」というのが友人の敗北宣言だった。学生時代の夏、エアコンのついていない車に頭がおかしくなって二人してガマン比べをしていた。バイトのために、最高気温が37度を超えるような京都の町を走り回っていてのことだった。窓を閉め切り、暖房を入れていたのだが、友人の顔がどす黒い感じになっていたのを覚えている。

 勝算はあった。なんのことはない、わたしは汗かきで夏場に強く、友人は汗をかかない体質だったのだ。自慢にもならないが、顔から汗が出るなんてわたしにすれば一番最初の段階だった。友人の言葉をきいて、人間の体質ってそこまでちがうものなんだと、そのときあらためて思ったものだった。
 
 それにしても、密閉された車から転がり出るようにして吸った37度の外気は、高原のそれのように爽快だった。サウナのあとなど、それ以上とも思える温度の落差はそのあとも何度か経験しているはずなのだが、やはりこのときの爽快さが最高だったような気がしている。といって、もう一度やろうという気にもならない。都会の夏の、暴力のような暑さに嫌気がさしたらまた試してやろうと思っていたはずなのだが……。

 上の子の汗ばんだ顔を見ていると、暑い暑いとすぐにびーびー言うけれどそこそこは暑さに強いんじゃないかという気がしてくる。女の子だと汗かきは困るかもしれないけれど、おまえのせいではないのだから屈託なく生きていってくれ……などと思ったりする。


♪ with "And About Time,too... / Bernie Marsden