title
2001年9月28日(金)
◆《月はどっちだ》

 夕方六時ごろに公園にむかえにいく。自転車の得意でない妻が、二人の子どもを自転車の前と後ろに乗せるのを極力避けたがっていることもある。わたしがペダルをこぐのだ。そして妻は家までをジョギングする。
 日暮れが早くなってきた。六時を過ぎると夜までのカウントダウンが始まる。片づけをして実際に自転車が走りだすころはすれちがう知り合いを見落とすほどになっていることもある。
 このところ、下の娘は月が好きらしい。空に見つけると指さして知らせてくれる。これを自転車の前の子ども席でやるのが決まりごとだ。月は日ごとにその位置を変え、しかも雲にまぎれたりするので、自転車に乗るとすぐにきょろきょろと探し、見つけると「ぱぱ、うっきー、ここ!」と教えてくれる。
 自転車が走りだすと、月は建物の陰になって見え隠れを繰り返す。そのたびに月を見つけるので「うっきー、ここ!」だ。見えなくなると両手のひらを上に向けて「うっきー、ない」。お月さんは神出鬼没だと思っているらしく、いずれの場合もきょろきょろしながらいちいち振り向いて、こちらが了解せねばならない。注意していてもけっこうハンドルをとられてしまう。ほんとに危ないなぁと思って妻にいうと、昼間は同じようなことを雲でやるとのこと。こまったものだ。

 帰宅して子どもを自転車からおろし、持っていったものの始末などをして、あとから入っていくと、三日ほど前から言えるようになった「ぱぱ、おかえり」があったりする。「かえり」にも「あかえり」にも聞こえる。


♪ with "Breakfast In The Field" / Michael Hedges