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朝から「きょうは、ようちえんある?」と三十分おきに上の娘に訊かれた。「お休みだよ」と答えるたびに「つまんないのー」と言う。少しうんざり付きで「幼稚園、そんなに楽しいのか?」ときくと、「めちゃめちゃたのしい」とのこと。昨日の朝も似たような感じだった。やっとこさ、子どもに体験させてやりたかった感覚を子どもの口から聞くようになった気がする昨今。
午後からお芋掘りの予定で、午前中は公園の、いつもとはちがう場所にあそびにいった。そこに着いた途端、娘はなによりもまず地面の様子を見て土を手に取り、「この土めっちゃええで! すっごいいいどろできるわ」とはしゃいでいた。どろんこあそびのエキスパートになってきたようだ。
その後わたしは一旦帰宅して、お芋掘りの時間になってからいったわけだが、そのときには下の娘がねてしまい、雨も時折パラつく中、わたしが抱いて畑のわきでヌボーっと立っていなければならなかった。そうして妻子や知り合い母子の様子を、なんだか盛り上がっているなぁと眺めていた。アマガエルがたくさんいたとのこと。四匹を捕まえてスーパーのレジ袋に入れて戻ってきた。ぜんぶ上の娘が自分で捕まえたとかで、お盆休みにわたしが捕まえた三匹よりも多いと何度も何度も言っていた。
お風呂に入れると、上の娘の右の腰骨のあたりに真っ赤なアザのあるのがわかった。一円玉をひとまわり小さくしたぐらいで、よく目立つ。
「どうしたん? これ」
「さっきな、じてんしゃにのるとき、あたってん」
「さっき? ああ、雨降ってきたとき?」
「うん。あのときちょっとすべってん」
知っていた。お芋堀りの帰り、強くなってきた雨の中で自転車の子ども席に座ろうとした娘が、足をすべらせたのだった。音と振動でわかったが、声もあげなかったので、大したことはなかったのだろうと思っていた。
「やっぱりか。大丈夫かなとは思ったんや」
と言うと、
「だいじょうぶやで」
という鋭い声の答えが返ってきた。そして、
「ぜんぜんいたないで」
といったあとはなぜか口を尖らせていた。
「そうか。強なったもんな」
「がまんしてるんとちゃうで。ほんまにぜんぜん、いたないねん」
「わかってる」
「ほんまやで。ほんまのほんまに、ぜんぜんぜんぜんいたないねんで」
「わかってるわかってる」
「ほんまやで」
「わかってるって」
「なんでいたないねんやろ、パパわかる?」
「わからん。気合い入ってたんやろ? 雨降っててアセってたし」
「ほんまや、あめふってきたから、ひっしでじてんしゃのったもんな。ひっしのときはいたくない〜」
そう言いながら娘はおかしそうに笑った。
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