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幼稚園の遠足の日。行き先は動物園で、下の娘が生まれる前に上の娘を二度つれていったことがある。楽しみにしていたらしく、前日の夜から遅刻しないようにとしつこく念を押されていた。
朝、仰せのとおりに少し余裕をもって――といっても五分ほどだが――集合場所におくっていくと、なんと先生がいなかった。わたしが顔を知らないだけかもしれないので娘にきいてみるが、「いないねぇ」という。知っているお母さんにきいても「遅くなってはるみたいですねぇ」ということだった。子どもも保護者もたくさんいたのでそのまま娘をおいて帰ろうかとも思ったものの、どうも気になってしばらく待っていた。結局、集合時間のリミット3分前までいたのだが、状況は変わらなかった。あとできいたところによると、実は先生はいたという人と、いなかったという人が両方いたらしく真相は不明だ。とはいえ、少なくともわかりにくい状態であったことは間違いない。
昨日だったか、遠足のお知らせプリントを誤解していた人がいたという話を妻からきいた。妻自身もわかりにくく感じていたらしい。読んでみると、年少のクラスに関する注意事項が先に書かれていたため、遠足そのものが年少のクラスについてのことのような印象になっていた。文章のレイアウト上の単純なミスといえるだろう。
どうもこのあたり、例年の行事ということでちょっとしたスキができているようにも見える。昨年度までかよっていた別の幼稚園でも同じような経験が何度かあった。他のことはもう忘れてしまったが、たとえば、迎えにいくときに途中のポイントまで先生が引率してくれるのに、雨の場合に関する言及が抜けているといったようなことだ。少なくとも初回は混乱してしまう。その時も妻が問い合わせると「例年どおりで……」のように言われたとかで憤慨していた。どんな仕事にも言えることだが、仕事をしているほうにとっては例年どおりの繰り返しであっても、それは新しい顧客にとってはなんの関係もないことだ。
遠足自体はとても楽しかったらしい。アシスト役として同行したお母さんの話によると、「子どもはあっちこっち行こうとするし、先生もたいへんやわー」とのこと。よその幼稚園もいくつか来ていて、中にはかなりこわい先生もいたようだ。列をはずれたりする園児に対してきびしいという意味である。動物園のような場所にいけば子どもたちがはしゃぐのは当然だと思うが、事故があっても困る。そのあたりの幼稚園のカラーは興味のあるところだ。
今度は絶対に妹をつれていこう!という娘は、自分が三度めだというのはまったく覚えていないようだ。親としては、下の娘にはともかく、上の娘には「例年どおり」というのが通用しにくいわけだが、それにしても過去の記憶がない永遠の新規顧客というのもしんどいものがある。
……と書いてみて、永遠の新規顧客のような幼稚園児を相手にしつづけていると、「例年」をよりどころにするのもわかるような気になったりして。
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