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上の娘はテレビ番組の「伊藤家の食卓」が好きだ。というより「裏ワザ」という言葉が気に入っているようだ。幼稚園で流行っているのかもしれない。
昨日の放送で「水をはったバケツに五円玉を落として、その底にある小さなコップに入れる」というのをやっていた。普通に落としたのでは五円玉がひらひらと沈んでまずコップには入らない。だが、落とすときに五円玉を水平にして円周方向に回転をかけると、螺旋を描くようにしておおむねまっすぐ落ちてゆき、コップに入る確率が高くなるというのだった。即座に「やってみたいー!」とさけんだ娘。そして親のほうも夫婦して同時にあることへの応用を考えていた。夏の盆踊りのときに出ていた夜店の「ねりあめ」屋である。ねりあめ代の百円玉を払うときに水槽の底においたカップをめがけて落とすようになっていて、うまく中に入ればおまけがつくようになっていたのだ。これはいいと思いながらも、その場は「明日お風呂で実験しよう」ということで、そのまま忘れていた。
子どものほうはもちろん覚えていた。五円玉をにぎりしめ、喜々とした様子で風呂場に入ってくると、さっそく湯船に入り実験開始だ。なるほど、たしかにコップに入りやすくなる。入りやすくはなるが、そのときは五割ぐらいの確率だっただろうか。ねりあめ屋で試すとしたら食べきれないほど買わねばならないかもしれない…… で、うまくいったらさらにもう一つくれるのだろうか!? などと考えていると、娘が「パパ、あしたぼんおどりある?」と言うのだった。
下の娘はますます泣きがエスカレートしている。そのうち近所から虐待を疑われそうだ。もし何事かと心配してわが家をのぞき見する人がいたら、妻に馬乗りになっている下の娘を見て虐待されているのは親のほうだと納得していただけるかもしれない。そのくせ予防接種にいったときは予想に反して少しも泣かなかったとのこと。わけがわからん。
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