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2001年12月22日(土)
◆《低く静かに》

 下の娘のゴンタがエスカレートしている。特に真夜中の絶叫と号泣は何度か書いているが、あれは本当に一瞬キレてしまうことがある。突然起こされたときはこちらの頭もまともに働いていない。二人めで、子どもは泣くものだとよくわかっていてもうまくいかないことはある。

 昼間からなぜかむずかって、妻が抱くことさえ「イヤーッ!」と拒否していたらしい。そして夜、二時台に「でんきーっ!!」と絶叫しながら起きた。このところつづいているパターンで、灯りをつけろということだ。一旦つけてしまうと消そうとするたびに泣かれるので、できるかぎりつけないようにしている。そこで朦朧としたままのわたしがロクでもないことを思いついた。机の引き出しから懐中電灯をとってきたのだ。そんなことが解決にならないことぐらい落ち着いて考えればわかるのだが、その時は納得してくれるかもしれないと、なぜかまじめに考えたのだ。スイッチを入れて「ほら、でんきや、これで我慢しい」といって子どもを照らした。たまたま泣いている子どもに光をあててしまったのだが、その行為がさらに自分の腹立ちをあおって、まぶしいか!と言わんばかりに子どもの顔を照らしつづけてしまった。数秒経ってから、なんとひどいことをしているのかと我に返って懐中電灯を投げ出して布団にもどる。背を向けて自分の眉間のしわを感じながら、妻の声と子どもの泣き声をきいていた。

 しばらくのやりとりのあと、妻が「こわいゆめ見たんか?」というのが聞こえた。「くわいうめ、みた」と子どもが言う。そのあたりから「でんきーっ」という泣き声が「くわいー」に変わり、だんだんとその間隔があいて静かになっていった。たまに懐中電灯も点けていた。
 夢を夢だと認識するのはもっと先だろう。だから言葉どおりではなくとも、恐さを感じたのはそのとおりかもしれない。ともかく、懐中電灯を向けるオレのほうがよっぽど恐いなと思う。こういうところは妻にはかなわないなとつくづく思う。同じように寝起きのはずなのだが。


 ……というファイルを11月9日付けで作って、更新しそこねたままになっていた。一つには、下の娘についてマイナスイメージのようなことばかり書いている気がしていたこともある。

 12月20日の午前4時、下の娘が突然絶叫し、階下(した)へ降りると言いながら階段のほうへいった。子ども用のゲートをつけてあるけれど、上の娘のときから使っているものなのでぼちぼちガタがきており、絶対の信頼はできない。わたしのほうが先に起きあがれたので、ゲートの前で「おりるーっ!」と絶叫している子どもをとにかく抱き上げた。できるだけ低く静かな声になるように注意して、よしよし、わかった、もうだいじょうぶ、こわくないなどと諭す。絶叫するたびに、そんな声を出したらよけいにこわくなるからだめだ、などと適当なことを言いながらとにかくあやしつづけた。すると、三分も経たないうちに泣くのをやめて静かになってくれたのだった。ははは。


♪ with "Sigh Of Truth" / Tish Hinojosa