
上の娘の卒園式。どこかにも書いているように、小学校までが勝負だと思っていたので感慨深いかとも想像していたが、三月というのは所用が多いこともあり、親にとっては感慨を味わうのに不向きな時期のようだ。小学校ではどうなるだろうという思いが強いというのもある。
転園という予想外の経験をさせることになった幼稚園生活だった。正直なところ、公園あそびなどでの天真爛漫な娘の様子から、どんな幼稚園でもそれなりにやっていくだろうぐらいに思っていたものだ。そんな思いがものの見事に裏切られた一年目だった。
春先の、慣れるまでの期間ならともかく、何ヶ月も過ごしてから“幼稚園にいくのを子どもが嫌がる”というのはかなりショッキングなできごとだった。細かい理由はいろいろあったが、要は行事の練習ばかりでおもしろくなかったようだ。その幼稚園の言うように、行事をこなしていくことで我慢や頑張りを養うというのはわからない話ではない。だがそれが小学校での生活のためになるのだという言い方には疑問と失望を感じた。おもしろくなくても我慢を学んでおくことが大事……? そんな絶望的なロジックをたった四、五歳の子どもに無差別に押しつけるようなやり方がまともだとは思えない。反発を期待してストレスをかけるにしても、各自の性格や受容力などを見極めた上でのきめの細かい作業が必要になるはずだ。決まった曜日に休んでいても気づかない(あるいは気づいていても言及しない)ような状態では、子どもにとって本当に良い結果につながっていくとも思えなかった。
実際には双方ともにそういったことを議論するつもりがなく、要するに幼いわが子のもっている良い意味での奔放さが抑えつけられていくようで転園を決めたのだった。
転園してみると、それぞれの園の方針によって子どもの様子がずいぶんちがうことに驚いたものだ。転園先でも予想以上に行事が多かったが、子どもが参ってしまうようなことはなかった。帰宅後に妙に攻撃的になるなど、以前のように首をかしげることも一度もなかった。休むことを嫌がるようになり、ちょっとでも早く行きたいと言うようになったのも前年とは正反対だ。泥ダンゴ作りという得意技も習得したし、運動量も増えて体も締まった。のびのびすごせたのだと思う。風邪もひかず、そういう意味でも安心して子どもをまかせられたことにはとても満足し、感謝している。転園は大正解だった。
欲を言えば、どういうわけか「いい子」であろうとしすぎるところがあるので、もう少しワイルドに、いじめっ子的な相手にもたまには反撃してほしかったというぐらいだろうか。
いい感じなのでこのままもう少しつづけさせてやりたいが、そうもいかない。小学校では学級崩壊がどうのこうのと早くもそんな噂が聞こえてきて不安も大きいが、とりあえずはなんとかやっていくだろうと期待するしかなさそうだ。
そういえば、自他共に認める砂場好きで幼稚園でもよくあそんでいたらしい娘だが、さて、人生に必要な知恵はもうすべて学んでしまっただろうか。
♪ with "Sand And Water" / Beth Nielsen Chapman
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