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初練習

 バンドの初練習。暮れのディナーショーでやったオールディーズ・メドレーをやってみる。ショーには全員が出たわけではないので、出なかったメンバーも含めてたまにはみんなで譜面を追っかけてみようということだ。と言いつつ、実際は出たほうのメンバーがせっかく練習したコンディションを落としたくないというのもある。と思う。たしかに指は動くぞ。
 しかし緊張感がちがうというのか、リラックスできるというのか、同じ曲でもずいぶん気持ちがちがうものだ。というのは暮れのころから思っていて、本番が済んでからだと完璧にやれるだろうなぁとなんとなく思っていた。そのへんが素人根性なのかもしれない。
 まぁでも、バンドもこれだけ続けると面白いというか、一生ものの趣味になってしまった。音楽はもっと面白くなると思っていたけれど、60〜70年代のロックのあれは、ちょっと特異なことだったのだろうなぁ。それを体験できたことが幸せなのか、それが永遠のものではないことを知らされてきたことが不運だったのか。それとも、単に追い切れていないだけ、わかっていないだけなのか。
 なんでもいいや。
 たぶん今年もライブの一つや二つはするのだろう。それはそれで楽しくやろうと思う。久しぶりに曲も書かないと。


 

ディナーショー


 ディナーショー当日。そして上の娘のコンサート当日。朝から大わらわだ。
 一足先に出かけた妻(と下の娘)が、忘れ物をしていった。おばあちゃんのためにと、上の娘が書いた歌詞のノートだ。去年のコンサートのときわたしたちの感想として「歌詞カードがあればもっとわかりやすく楽しめる」というのがあり、それを受けて娘が手書きしたものだった。一生懸命書いていた姿を見ているので、忘れられたノートをそのままにしておく気になれない。予定より早めに家をでて、ノートを渡しに新大阪までいくことにした。

 予定より少しだけ遅れて現場入り。しばらくすると最終リハとなった。なるほど、要するにここが勝負なのだ。スモークを火事と勘違いしたりしながらリハは進行。モニターがしっかりしているということだけをとっても、わたしにすれば完璧と言いたい音響システムだった。リハの後半、ベースのソロになるパートでとんでもないミスをやらかす。簡単なリフレインのフレーズの途中に半音ずれた音を混ぜてしまっているのに気付かずに続けていた。あとから録音を聞くと自分でも信じられないほどのポカなのに、そのときは「どこが間違ってたの?」ときく始末。緊張という言葉で片付ければ簡単だが......。

 さすがに本番直前は緊張がピーク。食事もノドを......通るが、会話ははずまない。
 オンタイムでショーは進行。緞帳の後ろで支度をしていると、客席のバンド仲間たちの声が聞こえてくる。いい席にしてもらったんやと思う。ショーが始まった。

 ちょこちょこミスはあったが、それなりに進行。曲の切れ目で、楽屋がわりの舞台裏のスペースで鏡をみていると、とてもいいオッサンたちがいた。歳を取ったものだ。


※   ※   ※


 ショーが終わって近所のイタリアン・パブへ。話しながら飲み、ほどよい時間を過ごした。帰宅は1時ごろ。いい一日だった。

前日


 明日がディナーショー本番。この数日はほんとによく練習している。中学生のころのようだ。そして緊張感というのか...... いや、焦りの感覚だろう、目一杯の時間を割いても足りない感覚。もう一週間あったら、もう一日あったらという思いがどんどん強くなり、何も食べたくないような気分になる。それでは家族が心配するので無理して食べている感じだ。
 仕事が終わってから服や靴を買う。バックバンドなので、基本黒でということだけが決まっている。気が楽といえばそうだが、洒落っけがないのもいかんだろう。ディナーショーという舞台の雰囲気がわからないので困る。
 明日の午後には上の娘の合唱団のコンサートもある。なにもなければわたしも楽しみにしていることだろう。妻と下の娘はまずそちらにいく。むこうでおばあちゃんと昼食をとったあとコンサートを見て、妻が下の娘を帰宅させ、取って返してディナーショーに来るという段取りた。やるほうも見るほうもハードな一日になるだろう。

リハ4


 ディナーショーのリハーサル。仕事を終えてから駆けつけることにしていた。
 本番まであと三日。
 あれこれ考えて、とにかく譜面を整備することが先決という結論を出し、昨日から作成にかかった。コード譜にしてスペースを稼ぎ、ページ数を減らしてめくりやすくする作戦である。あとあと編集することも考えてパソコンで作っていたが、実際問題4、5曲分も作れば日常生活では一仕事だ。一段落となるのだが、あと十数曲ある......と思うとその時点で気力が萎えてしまう。量の重みというのかなんというのか。しかしやりとげないとヤバい。どう考えてもここである程度の形を作っておかなければえらいことになる......そんな葛藤の挙げ句、午後の半日休暇を取った。おかげでギリギリなんとか譜面はできた。ギタリストの分と二部印刷してリハに向かった。

 初めて歌手の人たちと合わせる。詰めるべき点が山積。......というより、ピアノのきっかけで弱起の曲を始めるというのがしっくりこない。テンポは決まっているからきっかけさえあれば合うはず、と言われるとつらいが、実際プロはそういうふうにやるのだろうか。最低限のカウントがないと無理な気がする。
 個人的には、ようやっと当日の流れが見えてきたという感じ。それでもヴァイオリンの方が来られないので全体的な音のイメージはまだよくわからない。自分たちがかかわらない部分の進行もわからないまま。

 終わって外に出ると、まん前の児童公演はクリスマスのイルミネーション。そしてかなりの冷え込み。......今年の冬は緊張感がある。

耐寒ソフト&リハ3


 もの凄い寒さ。冷え込みもともかく風が強い。ソフトボールは午後まで練習というので、出勤するよりも早く娘を連れて家を出る。ネットを立てようとして、風の力で飛ばされてしまいそうになる。想像以上にネットが風をはらむのには驚いた。とにかく体を動かせ!しっかりキャッチボールしろーという感じで練習が始まる。こんな日に一日中練習というのはちょっとかわいそうな気がするほどだ。そして、大人たちもよくつきあうと思う。体を動かすコーチや監督よりも、グランド係の母親のほうが大変そうだ。それを代役で引き受けたという妻に、とにかく冷えきってしまわないように、体を動かすようにと話して仕事に向かった。

 お昼休み、気になって見にいってみると、みんなでたき火を囲んでいた。が、娘の頬は少しも暖かそうではなくすこし紫ががっているようにさえ見える。元気だが。まぁこれはこれでいい体験になるだろうと思うことにしてその場を離れた。

 結局、本当に午後も練習していたらしい。どうなんだろうなぁ......。こんな日にそんなに練習しても効果あるのだろうか。あるか。精神面は確かに鍛えられるかもしれないか。とりあえずこの冬少々寒くてもギャーギャー言うことはないだろう。

※   ※   ※

 夜はバンド仲間のみでの音合わせ。とにかく合わせておかないとということで近所のスタジオを取った。それなりに音は取っているが、厳しく言えばただ合わせているだけのような感じ。完成度的には話にならないが、とにかく曲として演奏できることがまず最初の目標。あとはやっぱり個人練習しかないだろう。なんだかんだで帰宅が1時ごろになる。明日もソフトで6時起きだァ......。

リハ2


 ディナーショーの公式?リハーサル。会場での場当たりということだが、平日なのでわたしは参加できない。繁忙期でなければ休みを取るのだが。そのまま夜は友人の自宅で音合わせということで、それにいくかどうか悩んだが、近所ではないので移動時間がばかにならない。その時間も含めて個人練習に当てたほうがよいと判断するしかない状況なので、そのように伝えた。といって、いざ楽器を持ってもその日の疲れなどでなんとなく散漫になってしまっているのだが。あと何日と数えているうちにしんどくなってくる。13曲のメドレーのあいだにどうやって譜面をめくるか、カウントなしで始まるという曲にどうやって合わせるのか、などなど......。

 などと言ってるうちに訃報が届いた。バンドのメンバーのお父さんが亡くなられたとのことで、あすがお通夜になる。忙しいといったら不謹慎かもしれないが、ほんとにめまぐるしい感じがする。

リハ1


 スタジオ。暮れのディナーショーにはバンドの全員が出るわけではないので、練習時間を借りる形でリハーサルをおこなう。
 できるだけの準備はしてきたつもりだが、まだ曲のサイズとつなぎを確認する段階。日ごろは使わないこともあって、そもそも譜面をちゃんと追えない。なにより、どうやって、どういうタイミングで譜面をめくるかが問題。13曲のメドレーなのでその時間がないのだった。課題山積ということを確認して解散。明日は子供会の餅つきで6時起きだ。

ディナーショーの話


 12月のディナーショーの打合せにいく。梅田。
 早めに着いたので紀伊国屋を散策。近ごろはそういう時間(大きな本屋の中を散歩する時間)もほとんど無くなってしまったことをあらためて思う。知的な刺激をどれだけ逃していることか。通勤時間が短いことで失うものの中で一番大きなものだろう。
 「小説の終焉」という岩波新書が目に留まった。最近、上の娘と文学についての話をしたためだと思う。終焉と言いつつ文学史をたどれそうでもあり、面白そうだった。

 ミーティングの場所は個室居酒屋というふれこみ。なんだかアヤしそうな感じもして興味津々だったが、たしかに個室になっているだけでそれ以外は普通の店だった。話しているうちに、そういう場所を選んだのもなんとなくわかる気がしてくる。基本的に音楽系の話で、なにかと声も大きくなりがちだった。たしかに、ざわざわした店よりは話しやすかった。
 で、肝心の話の内容はというと......漠然と予想していたよりは、はるかにヘヴィなものだった。ショーの中の一部分ではなく、ほぼ出ずっぱりで17曲を演奏する。しかもメインは13曲のオールディーズメドレー。ちょうど一ヶ月後の本番までに17曲......というのはわたしにとって半端ではない。そんな話ならもうちょっと早く段取りしてくれよーと言いたかったがもうどうにもならない。やるっきゃねぇの状態だった。

音楽祭

 ある音楽祭に出た。お楽しみ会のようなものだときいてはいたが、客席にはテーブルと軽食が並ぶ。そのうち子どもの声も聞こえてきた......。吹奏楽からカラオケまで、およそうちのバンドの音楽とは馴染まない感じの演奏や演技が続く。失礼のないように振る舞っていたつもりだが、そのうち......ほんとに、演ってもイイの?と、とうとう言葉にしてしまった。
 しかし本番は本番。できるだけいい状態で聴いてもらえるようにがんばるしかない。しかもライブハウスとは違った「舞台」なので、広くてかえって困る感じだった。いい歳をして青臭いこともできんしね、と演奏前はほとんど音を出さずにバーンと始める。演ったことがなく、かつけっこう難しい「The Locomotion」をドラマーのボーカルで、そして奇遇にも追悼になってしまった「タイムマシンにお願い」をラストに計4曲を締める。
 撤収後メンバーと焼き肉屋へ。正直、よかったのかよくなかったのかの判断に自分で困るところがあったが、そのせいかなかなかライブの話にならない。ようやく気持ちがほぐれてきてその話が出始める。まぁまぁよかったんじゃないのかというあたりに落ち着く。めでたしめでたし。

Unbelievable...

 人付き合いというのは難しいもの。というと大仰な気もするが、今どきは、日々の付き合いの中でのメールのやりとりで疲れること、腹の立つこと、傷つくこと、たまらなくなることがよくある。
 今回はそれがバンドで起こった。
 そんなことは本当は考えていないだろうに......と思いながらも、次々と繰り出される刃物のボールのような言葉に戸惑う。受けとめれば傷つくし、かわせば腹が立つ。それが文字だからのことか、考えが表出したのかと眉をひそめるうちにわけがわからなくなっていく。そして一線を超えた言葉が、修復のきかない状況を作り出してしまう。

 なんでこんなことになるのだろうねぇ......。

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