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| 昨日 | ||
▲はじめに▼
「ねんちょうさんになったらね、もっともっとがんばらないとあかんねん」
一月のある朝、幼稚園におくっていく途中、自転車の後ろの席から子どもが言った。
「なんで?」とわたし。
「ちっちゃいこォもいてるし、せいさくてんとかもあるから」
制作展。十一月の話だ。今から子どもにハッパをかけるわけだろうか......。
「そおかぁ......。けど、そんなにがんばってばっかりやったらしんどいよ」
「どうして?」
「どうしてって...... がんばってばっかりで楽しくなかったらしんどいやん。おまえ、去年の音楽会のときも練習ばっかりでちょっとしんどくなったでしょ」
「うん。そうだけど、がんばりたいねん」
「うん。がんばるの好きやもんな。だからがんばったらいいけど、一番は楽しく遊ぶことで、それからがんばったらいいとパパは思うけどな」
「ちがうで、がんばるのがいちばんやねん。だってせんせいがいうたもん」
幼稚園は、どうやらわたしの知っていたところとは違う世界になっているようだった。どういうわけか子どもにがんばらせるのに一生懸命らしい。しかし小さな子どもにそこまでがんばりを要求する新年とは一体何なんだろう。生きていくということはがんばることなんだよということか。それとも小学校は大変なところだから、今からがんばる練習をしないとついていけないよということだろうか。だから歌でがんばって、お遊戯でがんばって、プールでがんばって、運動会でがんばって、制作展でがんばって、音楽会でがんばって、劇でがんばって、一年中がんばり通せば、がんばりのきく子どもになれるというのだろうか。がんばりきれずにどこかで疲れているような子どもになったりはしないのだろうか。
幼稚園時代を楽しく過ごし、それゆえこれといった記憶さえないわたしのような人間ほど、かえって幼稚園教育には無関心なものなのかもしれない。だが少なくとも関心を持って考えてみるべき状況になっているのではないだろうか。
わが家では、もちろんそれまでの経緯もあり、結局上の会話を交わしてから二週間後に転園を決めた。そんな経験も踏まえて、就学前の子どもの環境について考えてみたい。
▲はじめに▼(このファイル)
▲子どもを取り巻く状況▼
▲学校とのあいだで▼
▲入園と転園▼
▲おわりに▼
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